内容説明
弁護士の妻が惨殺された。逮捕・起訴された男には粗暴犯の前科があった。だが強姦容疑は認めたものの、殺人は頑強に否認する。被告人の供述は虚偽なのか?逆転の連続!書き下ろしデビュー作品。
著者等紹介
加茂隆康[カモタカヤス]
1949年静岡県生れ。中央大学法学部卒。弁護士。東京・銀座で加茂隆康法律事務所を経営。交通事故の専門家として、テレビ、ラジオ、新聞等でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うさうさ
30
弁護士の妻が強姦された上に、顔を焼かれ腹を切り裂かれて胎児共に惨殺された事件の公判。さすが著者は弁護士、裁判シーンはとても面白く展開も飽きさせない。人物描写があまり魅力的ではなく、タイトルと内容があまり関係なかったのが残念。法廷ミステリとしては面白かった!弁護士もあちこちで恨みを買う職業だなあ。2016/07/11
ゆみねこ
18
死刑廃止派の大伴弁護士の妻が妊娠中の胎児とともに殺害され、犯人として大伴が弁護し無期懲役の判決を受けた誘拐殺人事件の被害者の父鯖江が逮捕される。息子を殺害されたという事件なのに犯人が死刑にならなかったことを逆恨みしてとのことだったが、鯖江は強姦の事実は認めたが殺害を頑なに否認する。主人公水戸は死刑存置派であるが、鯖江の国選弁護人の事務所で働きながら真犯人を探すというストーリー。死刑制度の是非についてもっと突っ込んだ内容かと思ったら、中身はちょっと2時間サスペンス風だったのが残念。法廷のシーンはよかった。2012/03/04
さっこ
16
主人公の水戸弁護士シリーズの第1作。3作目の「法廷弁論」を読もうと思い、忘れていたので再読。死刑廃止論者の弁護士の妻とお腹の子が殺される。その弁護士は一転、犯人へ死刑を望む。やっぱりいくら死刑廃止を唱えても、所詮他人事なんだなと思わさられる。自分が犯罪被害者や遺族になったら犯人は厳罰に処してほしいと思うのは当然の事だと思う。法廷シーンは著者が弁護士なだけあって読み応えありました。ご都合主義の運びには思えましたが、死刑制度の是非を問う作品であることは間違いないと思います。2018/11/06
saori
11
ミステリーとしては、イマイチ。犯人や黒幕?があまりにも突飛過ぎる。しかし死刑存廃問題を考えるきっかけになった。死刑廃止論者の弁護士が、妻を殺害され死刑存置に変わる様子は何とも言えない・・・・。私も身内や大切な人を殺されてしまったら、「加害者の更生」なんて事は言えなくなってしまうかも。死刑は被害者家族の為、多くの被害者家族は加害者が死刑になる事で救われる・・・・この言葉は非常に重い。2009/09/27
b☆h
10
初読み。小説というより、ルポタージュのような印象を強く感じたが、著者の職業を見て納得。弁護士さんだったとは。そのせいか、裁判でのやり取りは目に浮かぶようでハラハラした。私個人はもともと死刑存知論派でその気持ちは読み終えた今も変わらない。よく加害者の人権云々と聞くが、亡くなった被害者は戻らないし、人権なんて考えられていない。日本は加害者に甘い国だとよく感じる。「死刑制度は残された被害者のためにある」との一文には深く納得した。犯罪に限らず自分のしたことに責任を負わない人の多さに驚く。2021/07/21
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