内容説明
地方都市の映画館でアルバイトを始めた恵介。そこで出会った映写技師の杉本ルカは、外へ一歩も出ることなく映写室で生活しているらしい。バイト採用の条件は、不可解な三つの約束を守ることだった。―切なく胸を打つ、感動の青春ミステリー。
著者等紹介
関口尚[セキグチヒサシ]
1972年、栃木県生まれ。99年、茨城大学大学院人文科学研究科修了。映画館の映写室でアルバイトを続けながら、小説を書き始める。2002年、『プリズムの夏』(集英社文庫)で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。07年、『空をつかむまで』(集英社)で第22回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あー
18
バックグラウンドの色々だけで満腹。つらくて切ない。最後はどうにか前に進めそうでウルウルした。2021/09/07
takaC
11
嫌いじゃないけれど、大人向けの本ではないなぁ。2009/07/23
める
9
優しい再生への物語でした。主人公がふわふわしてて現実味がないけれど、レイジや父親との比重を考えるとここでバランスをとってるのかな?実は問題は解決していないし、タイトルの意味も何となくしか読み取れなかったなぁ。「やさしいという生き方ほどつらいものはないってね(p66)」という台詞がとても印象的だった。2011/09/08
Chako@(旧名:かど =^ェ^=)
5
人の優しさがこの本の一番重要なキーワード。恵介とルカは過去に他人にやさしくした結果、つらい思いをしてトラウマとなる。でもねぇ人生のいいことも悪いこともどれだけ自分の糧とするか、自分を成長させてくれる教科書のようなものと思えるかどうかなんだよな、時間かかるかもしれないけど。なんて自分に言い聞かせてる。いくつになっても勉強っすね!生きてくって。2人はいい経験させてもらったんじゃないかな。時間がたてばそう思える日が来るよ。2012/05/14
みてみて
5
映画館・映写室・映写技師、設定が良かっただけにストーリー進行が甘いのが残念。いろいろ中途半端で終わってしまってるし、終盤にかけてのダラダラ感も残念。ラストシーンが本当に良かっただけに…何度も言うが本当に残念。夜空を射抜く映写機からの光は、これからの恵介と、ルカの未来。