内容説明
「おれの苦悩は生物学的プロセスかよ?クローンで魂まではコピーできない。そうだろう?」―ユキヤ。「うちのママ、ひどい苦しみぶりやったわ。あの人はあたし。ほな、うちは誰やねん?」―ナナ。「わたしは地球上の昔からの方法で、子供を授かりたいの。元気な赤ちゃんを産むのよ」―ケイ。「僕は、生まれてこなければ良かったと思ったことは一度もないんだ!」―ライゾー。科学の果てにあるものは、希望か、絶望か?あなたの大事なあの人が蘇ります。この世界に誕生させられた19歳の男女が織りなす感動の群像長篇。
著者等紹介
若月かおり[ワカツキカオリ]
広島県生まれ。2004年『ずっと、ずっと、あなたのそばに―映画「いま、会いにゆきます」澪の物語』(小学館文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かず
3
クローンを作り出すことによって人々は永遠に生き続けられる。でもそれは本当に私なのか私の形をした人物なのか?双子でも全く同じ考え方の人間はいないのだからやっぱり育った環境とかで私ではない私なのではないか…人間のエゴで作られたクローン達の苦しみが書かれた作品。2016/09/16
暇 隣人
2
クローン技術について様々なことを考えさせられた作品。しかし問題提起だけで終わるのではなく、物語としてのストーリー性自体もしっかりしているのが非常に良いと思った。文章がやや荒削りな気もしたが、根本部分に支障はないのでよしとしたい。2011/10/03
深海
1
人を愛するとエゴが生まれてしまうという事だろうか。真相は分かったものの特に何も解決されていない気がする。2018/09/08
MINA
1
人のクローンはSFで昔からあるネタだけど、現在、技術的に可能でも公的に認められることはないだろうとあらためて思った。 ペットなら、そのうち一般的になるかも。2015/08/13
いんちょ
0
2009-07292016/03/19