感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
29
前半は特捜検事のやり手として世間に名を馳せていたこと。後半はヤメ検弁護士になり、闇社会の人々の弁護や付き合いを語る自伝。なんとも豪快である。財布に100万円。プライベートヘリコプターも所有。波乱万丈であり、結局砂の塔を築いたに過ぎない。異なる社会に住む住人。2019/11/02
Willie the Wildcat
24
検事、弁護士、そして被告の視点。検事・弁護士の”待遇”からくる自身への自惚れと、自分を見失う過程。著者の心情の変化が印象深い。人の欲、そして弱さを感じる。時に触れる生い立ちからくる人間味が、著者の真の姿かもしれない。人間味という観点で、中岡氏と山口氏の対比が興味深い。それにしても、どうして検察庁に裁判所と同等の独立性がないのだろう・・・。SODに問題を感じる。リーダー(上司)の良し悪しが、遣り甲斐・働き甲斐に繋がる点も再認識。意気に感じて仕事はしたいよなぁ、と感じる。2013/01/27
緋莢
21
長崎県平戸の漁村に生まれ、大学在学中に司法試験に一発合格。検事として、大阪と東京地検特捜部で活躍後、辞職。弁護士に転向してからは「闇社会の守護者」と呼ばれて、山口組の若頭・宅見勝、許永中ら裏世界の重要人物や安倍晋太郎、竹下登ら政治家たちとも交流があった。7億円のヘリコプターを購入、「空飛ぶ弁護士」の異名を取った著者が古巣の東京地検に手形詐欺事件で起訴されたのは何故か?その軌跡を追う。2016/08/13
りり
15
バブル時代の裏社会のことがよく分かるが、お金に対する感覚にはついていけない。〝あの時代はそんなもの”と言う人達の本だが、違和感が‥。ただ本自体の持つ躍動感は感じさせられた。それから私が男性でないせいなのか、出てくる女性ののっぺらぼうな書かれ方が気になった。〝母親”〝妻”〝娘”〝同僚”〝ホステス”〝スチュワーデス”。それ以上にどう思っているかなどの記述が殆どない。著者が興味を持っていないのかもしれない。バブルを駆け抜けた人間くさい男性達との濃い交流とは真逆の記号みたいな女性への書き方がひっかかってしまった。2015/03/09
anken99
13
なかなかの読みごたえがある一冊であった。九州の片田舎から、文字通り身を起こし検事となった著者。正義感はやがて男気溢れる裏世界へと、著者を導いていく。弁護士となってからの、バブル紳士、あるいは裏社会の重鎮たちとのエピソードは刮目するばかり。事実は小説より奇なり。。。そんな言葉を痛感するばかりである。著者の半生もものすごいが、5円焼き鳥で身を起こした男、そして許永中しかり、さらに興味を持った人物多数。ノンフィクション?であるならば、存分に味わい尽くせる一冊といえるだろう。2019/09/19