円空鉈伝

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 257p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344002906
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

時は寛永、江戸時代初期。名主の娘の心外児(私生児)として生まれた覚念は、村から隔離され山中修業の道へ入る。そして名を円空と改め、修験僧として南は濃尾、北は蝦夷までの霊地を巡り、己の中の「仏」に対峙する。長い歳月をかけ、母への想いと情念を十二万体の仏像に彫り込んだ円空は、ついに絶望と虚無を乗り越える。人間の不条理な宿命と煩悩に打ち克ち、前人未到の偉業を成し遂げた孤高の男の生涯を浮き彫りにする傑作・歴史小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いくっち@読書リハビリ中

1
円空という人物像に当時の時代を組み上げて作ったフィクションがすごい。円空の旅の道筋は仏像の形などで辿ることができるが、時代背景とともに考えると巡錫は簡単なことではなかっただろうと思います。当時生れた土地を離れることを嫌がりました。他藩を旅するのは大変だったのです。円空は天台宗の遊行者であり修験僧でした。辻説法、門付け、民家に泊まることも禁じられていました。さらに言葉の通じない蝦夷へ向かう。蝦夷地での体験が大いに仏像の変化に影響していることが小説を通じて感じることができた。2013/03/01

夜明けの猫

0
 周知の如く、円空とは今から390年程前に美濃国(現岐阜県)に生まれ、円空18歳の時『やろか水』という洪水で母を失った事が薙髪の動機となったと言われている。それから生涯に12万体の仏像を諸国行脚しながら彫った。円空の仏像は最初、特徴的な柔和な表情の普通の彫りの仏像を彫っていたが、晩年には荒々しく簡素な彫りの仏像へと変化している。この本では、これが単に左右の均衡を気にしないで彫るようになったとしている。そんな単純なものでは無い。もう少し円空を研究して欲しい。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3578660
  • ご注意事項

最近チェックした商品