内容説明
精神病院への移送途中、逃亡した14歳の少年は、霧雨に濡れるすり鉢の底の街に何を感じたのか?知覚と妄想の狭間に潜む鮮烈な世界を描く最高傑作。
著者等紹介
田口ランディ[タグチランディ]
東京都生まれ。広告代理店、編集プロダクションを経て、ネットコラムニストとして注目される。初の長編小説『コンセント』がマスコミに絶賛され、ベストセラーになる。『アンテナ』に続き、『モザイク』でシリーズ三部作(全て幻冬舎刊)を完成した
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
27
整理のため、再読。なかなか面白かった。渋谷にはもうどれくらい行ってないのだろう。出版されてけっこう時間が経ったのに、古さを全く感じさせない。柿崎ノエルにもう一度会いたい。2015/02/12
りえ
16
主人公ミミは、依頼客の要望で問題行動のある人間を説得し目的地まで運ぶ、という仕事をしている。少年の移送を引き受けるが、少年が逃げたしてしまい、少年を探していくストーリー。問題のある人とは精神異常だと思われている人だけど、精神異常かどうかの判断基準は何なのか難しいと思う。著者の『コンセント』『アンテナ』『モザイク』で三部作らしい。アンテナは未読なので読んでみたい。2015/08/24
kyoko
6
心に響く物語でした。正也がミミに出会えてよかった!2015/12/24
azuno
4
途中まで凄く良い。主人公が魅力的。ところがだんだんハチャメチャになって来て悪いことにそれならハチャメチャで終わればいいと思うのだが、変にきれい事にしようとして中途半端になってしまった。図書館本で初版。文庫版は盗作問題で改稿したそうで、その個所の違いを知りたかったがネットではわからかなかった。2016/01/07
ロバくん
4
良かった。 著者独自の世界。 読みながらいろいろ考え過ぎるとありそうで怖くなって深みに嵌りそうになるが、そうはならず程よく綺麗にまとまっていたように思います。 タイトルの『モザイク』の表現もよかった。 確かに自分もモザイクの一片かもしれない。 でも「自由だ」と感じることができてません。 少し主人公もミミが羨ましいかった。 そしてミミと出会えた正也も羨ましかった。 著者の作品『コンセント』より好きな内容でした。2015/11/09