内容説明
映画界が未曽有の危機に直面している。作品の撮れない製作現場、買い付け市場が開けない国際映画祭、上映作品不足の劇場など、各部署に難しい問題が山積している。また現在の日本映画はアニメが席巻し、実写映画の不振が目立つ。更に劇場のミニ化が進む。それがまた製作側に感染しマイナー作品を生み出している。市場では「動画配信」が映画界を脅かしている。ディズニーやワーナーが進めている、作品の劇場公開と配信の同時スタートは、劇場には脅威だ。
目次
第1部 日本映画の現在・過去・未来(アニメ映画が世界を駆ける;映画はどう変わるか?)
第2部 日本映画に“スター”がいた時代(尾上松之助 活動大写真の大スター「目玉の松ちゃん」―映画の創成から無声映画の時代へ(大正元年~一五年)
阪東妻三郎 剣戟王、時代に斬りかかる―無声からトーキーへ、そして弁士の時代へ(昭和初期・元年~二〇年)
三船敏郎 世界を駆けたサムライ―映画黄金期からテレビの時代へ(昭和中期・二一年~四〇年)
美空ひばり 最も興行力の有った大女優―娯楽作品で黄金期を支える(昭和中期・二四~三八年)
高倉健 慕われた最後のスター―映画スターが消えた時代(昭和後期・四一年~六三年))
著者等紹介
西川昭幸[ニシカワノリユキ]
1941年北海道生まれ。東洋大学社会学部卒。東映AG、角川春樹事務所、(株)時代村勤務を経て、現在、公益社団法人理事などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロマンチッカーnao
13
戦後から現在まで、映画はどう変わり、今のアニメ全盛に時代になったのか。そして、デジタル化によって、どんな問題を抱えているのか。素人にわかりやすく書かれています。かつて、梅田にも1000人を超す観客を入れれる大型映画館があったけど、今はなくなりました。シネコンで小劇場が増えています。作品数も増えています。大スターの時代、角川映画の時代、アニメの時代、これからどうなていくのだろう。ただ映画好きにとっては、一年に一本、いや数年に一本自分に合う映画に出会えればそれで幸せです。2022/05/12