出版社内容情報
鳥羽・伏見の戦いに敗れ、江戸に戻った近藤勇率いる新選組。ところがその近藤は、流山の地で、新政府軍に包囲され、投降することに。近藤に代わり、新選組の生き残りを率いた土方は、北関東、会津を転戦し、仙台で榎本武揚の艦隊と合流。新天地を求め蝦夷地に上陸する。そしてついに政府軍との最終決戦、箱館戦争の火ぶたが切って落とされる!
内容説明
近藤勇に代わり、新選組を率いた土方は、新天地を求め、蝦夷地に上陸を果たす。そしてついに、新政府軍との最終決戦に挑む!「新選組戦記」シリーズ完結!
著者等紹介
小前亮[コマエリョウ]
1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。2005年に歴史小説『李世民』(講談社)でデビュー
遠田志帆[エンタシホ]
秋田県生まれ。イラストレーター。書籍の装画や挿絵などで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いこ
76
上・中・下の下巻。下巻は、新撰組が甲陽鎮撫隊と名を改め臨んだ「甲州勝沼の戦い」から、「戊辰戦争」終結まで。このラストまでが、架空の少年村田市之助の目を通して語られます。子供向けに書かれた読み物ではありますが、史実には忠実であり、初心者でもよくわかります。こんな信義にあつい男たちが生きていたのが、たった150年前ということに、改めて驚かされました。複数の読み友さんの推している斎藤一にも注目してみました。無口な剣の達人!第四章の扉絵にもなっているのですが、この絵がなんとも素敵。これだけでも見てほしいです。2020/07/17
えみ
31
時代に求められ見事に咲いた紅き血の花が、はらはらと花弁を落としていく散華の章。下巻。新選組、終焉の時。彼らは時代に翻弄されながら何を失って、何を守り抜き、何を残し散っていったのか。一貫してこの小説に描かれていたのは、武士以上の武士でいようと最期まで其々の“義”を貫き通した漢たちの誠。志。友情。そして何人たりとも汚すことの出来ない誇り高き死に様。生き残った者たちの使命。新選組という徒花を優しく愛でながら見事に美しく纏めきった一冊。…友への想いを背負い彼はゆく。物語としての新選組を楽しく学べる良書であった。2020/05/03
陸抗
22
新撰組のメンバーがどんどん居なくなり、土方さんだけが戦い続ける理由が最後の最後でやっと分かった。新撰組の存在を、近藤さんの信念を、歴史に刻みたかったんだと。でも、命懸けで出産する女性の立場からすると、簡単に命を散らす戦いそのものに賛同出来ず、だから土方さんは女性を退けたのかな、とも。2023/06/29
はじめさん
18
完結巻。甲州鎮撫隊結成、転戦、もう史実通りの幕府敗北ルート。分岐フラグはなく、村田市之助は北の大地まで付き従う。日輪が明るく輝き、新たなる統治がはじまる世はいつぞ。 / あとがきを読んで、なるほど判官びいきが日本人の根底にあるから、幕末モノで新撰組は人気なのかと改めて思ったり。児童向けなので、大人の読者にはややものたりない部分もあるかもだけんど、これを入り口に歴史や小説に親しむ少年少女が増えるといいね! ワシの中学時代はるろ剣から幕末入って腐えるの多かったけど! 6月は土方副長の命日。燃えよ剣の公開は…?2020/06/07
小雀✡ずーっと積読減強化月……
18
特に面白いと感じたオリジナルな所も無く、新選組好きとしては物足りない感じでした。市之助が終始傍観者的で『新選組と最期まで一緒に戦った少年』として描ききれてない感じで、彼にも感情移入出来なかったし土方サンをはじめ他の隊士達も存在がボンヤリしていて読み易いけど楽しめなかった。 史実はある程度追っているけど微妙に半端で…相馬主計をソコまで引っ張ったなら最期まで語ってくれよ…とかね。 登場しなかった人物について『構成上、登場を断念した』って………ふーん…そうですか。 少年たちが生き残れて良かったね…くらいかな。2020/05/26