出版社内容情報
伝説の植物マンドラゴラ、食虫植物のウツボカズラ、神秘的な月下美人など、世界各地の植物にまつわる、不気味で不思議な物語10篇を収録。妖しくも美しいカラーイラストも時空を超えた恐怖の世界へといざないます。
内容説明
魔力を秘めた植物は、人の心に根をおろす。花で惑わし、香りで操り、毒の蜜でかき乱す。千の芽、万の葉しげらせて、植物たちはあなたを見ている。
著者等紹介
廣嶋玲子[ヒロシマレイコ]
横浜生まれ。第四回ジュニア冒険小説大賞の『水妖の森』(岩崎書店)でデビュー。『狐霊の檻』(小峰書店)で「第34回うつのみやこども賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
78
児童書。妖しい植物にまつわる話10編▽[処刑台のマンドラゴラ]古都バイエルン。植物研究者は無実の人を処刑台におくる[幽霊芝]古代、東の大国。食べると賢くなるキノコ[悪魔の時計草]ノースヨークシャー。命と引き換え[誘惑のウツボカズラ]ベネツィア。食虫植物[朧の月下美人]京の都。凶相の子どもを隠し育てる[潮騒の人魚草]アイルランドの漁師町。子供が見つけた人魚[死香のジャスミン]アラビア。王にさらわれた幼馴染[嫉妬の青真珠草]大正時代風[脇役のかすみ草]自分が主役[夢紡ぐもの]夢に出てきた女の子▽2024.3刊2024/04/16
がらくたどん
62
名手廣島玲子が贈る「ちょっとオトナ」なジュニア・ホラー。世界各地のフォークロアな舞台設定で妖しく怖~い幻の華を咲かせてみせましょう♪スピンがないのは残念だけど、上製・箔押し・カラー挿絵(講談社の「カトリ」シリーズの方です)の古い「魔導書」みたいな造り。総ルビではないが小学校上学年から。人も死にます・血も流れます。ただ、それが遠い場所の過去の出来事として語られるため、どこまで身近な怖さを感じるかは読む子どもの咀嚼力に応じて受け止め切れるはずとの読み手への信頼が感じられるのも嬉しい。裏表紙、怖いですよ♪2024/06/20
Nyah
42
🌱🌲古今東西、植物にまつわる、不気味で不思議な物語。 【処刑台のマンドラゴラ】 こういうのハリポタの授業で植替えてたよね。【幽霊芝】キノコ🍄🍄🟫【悪魔の時計草】余命を伸ばす「時計草」。🕯️が消えたら命が尽きるみたいな話を想像したけど【誘惑のウツボカズラ】 食虫植物が美女に擬態【朧の月下美人】 年に一夜限りの花を咲かせる月下美人【潮騒の人魚草】人魚はやはり怖い金魚【死香のジャスミン】 恋人を殺された調香師青年の復讐【嫉妬の青真珠草】 疑心暗鬼【脇役のかすみ草】 逆転【夢紡ぐもの】夢の中で助けを求める老婆2024/07/29
tan
41
児童書にしてはグロすぎるくらいのおどろおどろしい。今までは罪を犯したひとや欲深い人が痛い目に合う内容が多かったのですが、罪のない人たちが容赦なく殺され、餌食になってしまう。銭天堂の姉妹店かと思いきや、とんでもない悪い店主だったりと恐ろしい限りです。表紙絵がまた恐ろしく裏を見てビックリ!挿絵も怖くて低学年にはおすすめできないかも。中でもウツボカズラが一番怖かったです。「たぷたぷ」とした中に入っているものは…。キャ~っ!! 2024/07/27
糸巻
27
植物に纏わる怪奇・幻想小説。10話収録の短編集。カバー表紙も素晴らしいのだが、各話でもカラーのイラストが差し挟まれそれも楽しみにページをめくった。日本だけでなく世界の国々を舞台に、人が持つ醜い欲望と美しい植物を絡ませ、行き着いた悲劇を描いている。読後は遣る瀬なく切ない余韻に浸る。平安時代(多分)の日本に咲いた月下美人のエピソード『朧の月下美人』が好き。児童書のようだが大人が読んでも楽しめる。2024/03/31
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