出版社内容情報
クラスに馴染めず、父親ともうまくいかない〈アスペルガー症候群〉の少女・ローズにとって愛犬レインはたいせつなこころの支え。ところが街を巨大ハリケーンが襲った日、レインは行方不明になってしまう……。
アン・M・マーティン[アンマーティン]
著・文・その他
西本かおる[ニシモトカオル]
翻訳
内容説明
アスペルガー症候群の少女と迷い犬レイン。せつなくてやさしい愛の物語。
著者等紹介
マーティン,アン・M.[マーティン,アンM.] [Martin,Ann M.]
1955年アメリカ、ニュージャージー州生まれ。教員、児童書の編集者を経て作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
105
高機能自閉症の少女が語る、愛犬レインとの物語。同音異義語と素数にこだわり、ルールやルーティンを曲げることができないローズ。もっといい加減だったり、ごまかすことができるならラクなのに。生活に疲れた不器用な父の辛さもわかる。読んでいて胸がきゅうっと締めつけられるようだった。レインとローズの未来が、たっぷりの愛情に包まれた不安のない日々でありますように。2018/01/21
emi
54
正しさを誰かに見せられるか。ローズは素数と同音異義語とレインという飼い犬が大好きな高機能自閉症と診断されている女の子。そして、ルールというものを大事に思って守っている。読んでいて何度もローズが可愛くてならないなぁと思ったけれど、周りの人にはなかなか理解してもらえないし、パパだってしょっちゅう怒ってしまう。物語の中盤、ローズはある真実を知ることになって…。彼女の正しい決断を目にしたとき、抱きしめたくなること必須。大事にすること、大事にされること。どちらが欠けてもだめだって、忘れがちな大人に読んでもらいたい2016/12/18
ぶんこ
47
高機能自閉症という病気の特性が、多くの人にとっては我慢ならない事も理解できるだけに、ローズには叔父さんが居て良かった。怒りっぽくてお酒に逃げてしまう父親だが、娘は可愛いのだろう。雨の日に迷い犬を連れて帰りローズにプレゼントする。レインと名付けて仲良しになっていたのに、ハリケーンの日にいなくなってしまう。見つけた時、レインがよその大事な飼い犬だったと知ったローズは、正しい事は何かを考え、飼い主に戻す。本当の飼い主とローズの両方の気持ちを思って辛かった。迷い犬の保護施設の責任者が立派でした。2017/03/13
はる
40
少女と一匹の犬の物語。犬のレインは、高機能自閉症の少女にとってかけがえのない存在。しかしハリケーンが町を襲った日、犬は行方不明になってしまいます。切ないけれど優しい物語。父親がもう本当にダメな父親でハラハラしますが、少女がいい子なんですよ。健気で応援したくなります。叔父さんやクラスメートが優しくてホロリ。穏やかなラストにホッとしました。装画も素敵です。2016/12/30
じゃすぽ
19
アスペルガーのローズと犬のレイン。父親のすべてに吐き気がするが、やり場のない激しい感情も解る気がした。そして、ローズの思考回路がすごく解るだけに子供の頃に戻って同調してしまう。失恋にも似たこの気持ち。涙が止まらなかった。「ペンダーウィックの四姉妹」と同じ小峰書店から出版。2016/11/25