内容説明
少女の歌声は、野をわたり、頂へかけあがり、蒼天高くたゆたう。そして、今しずかに自分の立っている場所、ここへおりたつ、しっかりと。…長編児童文学新人賞受賞作。
著者等紹介
にしがきようこ[ニシガキヨウコ]
名古屋市生まれ。玉川大学農学部農芸化学科卒。2000年「原人の足跡」で毎日児童小説コンクール優秀賞受賞。本作『ピアチェーレ 風の歌声』で第8回日本児童文学者協会・長編児童文学新人賞受賞。東京都青梅市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テリトリーM
4
中学2年生の嘉穂は、祖父母、、叔母、、弟の5人暮らし。父は義母、妹二人と暮らしている。「自分のたちば」これが自分のことは後回しの子どもにしてしまっている。そんな嘉穂が歌い始める。歌うことで自分の意志でこの先を選ぶ。子どもが子どもらしくいられる幸せの大切さを思う。2021/06/15
砂糖
3
母を亡くし、再婚した父とも離れ、祖父母と暮らす中学生の嘉穂は、周囲に遠慮して自分の気持ちをうまく出せない。そんな嘉穂が歌に出会い、自分の気持ちを素直に表現する喜びを知る。声楽がテーマってめずらしい。歌だけでなく、スポーツでも、勉強でも、自分が好きなことなら大変でもつらくないよね。2013/03/03
杏子
3
西日本読書感想画コンクールの指定図書ということで読んでみた。音楽がテーマの小説は何冊か読んできたが、これはさらっとうまくまとまっているようだけれど、いまひとつかな。嘉穂が自分の殻を破っていく過程でもう少しエピソードなり、書き込みなりあればと思った。が、同世代の子たちには共感できるものがあるのかもしれない。声を前に前にだして歌っていく、という気持ちよさは感じた。それが嘉穂の感じた風だったのだろう。2011/05/20
バジルの葉っぱ
3
音楽が大好きなので、とても楽しみながら読めました。嘉穂がコンサートで歌った曲「私を泣かせてください」(「涙が流るるままに」という訳の方が有名か?)はヘンデルの「リナルド」というオペラの中のアリアで、私の大好きな曲!それだけに文中の描写で、どのあたりのメロデイーをうたっている時の嘉穂の心境なのかなど具体的にうかんでくるように書いてあったらもっとよかったのに・・とちょっと思ってしまいました。音楽の力は本当に強いです。人生感や価値観が一瞬にしてがらりと変わるくらいに。2010/11/30
ほたぴん
3
嘉穂に共感できる部分が多く、自分も他人から見るとこうなのか?と思ってしまった。後藤君のひねくれ具合が尋常じゃない感じ(笑)。テンポ良く、ぐいぐい読めた。続編が読みたい。楽しみな作家さん発見!となるか?2010/07/31