感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
9
鈴木三重吉によって訳100年前に創刊されたシリーズ。当時の児童文学に疑問を持ち、子どものための作品を多く募って発行されたそうです。新装版で知ったので。 『 海のむこう 北原白秋 / 一ふさのぶどう 有島武郎 / 木の下の宝 坪田譲治 / 月の中 佐藤義美 / むじなの手 中村星湖 / あめチョコの天使 小川未明 / 魔術 芥川龍之介 / ふえ 小島政二郎 / 遠い景色 与田凖一 / 清造と沼 宮島資夫 / さざんかのかげ 福井研介 →2021/06/06
たらちゃん
8
有島武郎の一ふさのぶどうを読みたくて借りました。宝箱でした。この本に集められたお話を5年生で読めていたらどんなに幸せか!どれも静かで美しい日本語です。芥川龍之介の魔術、小島政二郎のふえ…。宮島資夫の清造と沼のお話がとても好きです。どなたの挿絵かも気になります。2019/03/04
菱沼
1
職場で1〜6年生までを買い、まず5年生を読んでみた。有島武郎『一房の葡萄』が載っていて、改めてその最後の「ぼく」が、「少しだけ恥ずかしがりやでなくなり、少しだけいい子になった」という描写の深みを思った。教訓がついているわけでもなく、はっきりした結末があると限るわけでもなく、ハッピーエンドとも限らないこれらの話が、ただ子どものためにだけ書かれた100年の歴史を思った。「児童文学」が子どものことを考えて書かれたものだということをもう一度しっかり認識しようと思った。2018/05/07