内容説明
天を飛翔する龍、地を駈ける龍清い水の激しき流れににて、あまりに疾く、その姿を目にとどめし者なし!「君は龍を見たことがありますか?」。
著者等紹介
竹内もと代[タケウチモトヨ]
1948年石川県に生まれる。近畿大学農学部卒業。『不思議の風ふく島』(小峰書店)で第26回日本児童文芸家協会賞、第49回産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞、厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に選定。また、『菜緒のふしぎ物語』(アリス館)は、第18回読書感想画中央コンクール指定図書。日本児童文芸家協会、日本児童文学者協会会員
牧野鈴子[マキノスズコ]
熊本県に生まれる。デザイン事務所勤務を経て上京。メルヘン雑誌に作品を掲載されたのをきっかけに絵本や童話などのさし絵を描くようになる。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
68
『菜緒のふしぎ物語』が良かったので手に取った。こちらも日本の風景がとても美しく描かれている。特に、水を張った田んぼが鏡のように空を映し、龍の通り道となるシーンが好き。少年と龍が交流し、ともに成長していくひと夏。こんな森がきっとどこかにありそうな気がする。2021/03/05
はつばあば
49
「竜の道」から「龍のすむ森へ」。消化不良で終わった竜兄弟もこのような自然の中で幼少期を過ごせたらどんな道を歩んだだろう。白川道作品と比べるものではないが、おおらかな自然に守られた人達のかもしだす雰囲気の児童書。水の大切さを知るのは今や、日本の綺麗な水を求めて買い漁る中国の人だけか・・。水を尊び恐れた人はどこに行った。龍だけでなく諸々の神様も書の中にしか存在されなくなって久しい。ああ、これだけ児童書と云うものは読みやすいのか。字も行間も絵も内容も目に、心に優しい。2015/12/08
ちこたん
31
★★★☆☆のーんびり、ゆったり、美しい田舎の大自然を満喫できました。児童書だからか、登場人物がみんな善い人で安心して読めます。薄暗い木立の奥に、霞みがかった遠い山の向こうに、青く深い淵の底に、「なにか」の気配を感じて、「なにか」の存在を信じていたあの頃のわたしたちの物語。実を言うとわたしは今でも「なにか」いたらいいなぁ、と常々探しています。2015/09/23
小夜風
21
【図書館】小学六年生の智は母と二人で父親の生まれ故郷の清瀬村に引っ越してきた。その村を流れる飛龍川は龍が横たわって姿を変えて出来た川だという言い伝えがあり……。「詩とメルヘン」でお馴染みだった牧野鈴子さんの涼しげな挿し絵が素敵です。このお話はアニメになっても魅せるだろうなぁって想像しながら読みました。白龍が青龍に変わるところとか、絵で見てみたいです。もう少し先まで知りたい、というところで終わってしまう余韻も、自分は心地好かったです。2015/08/05
花林糖
13
(図書館本)表紙絵とタイトルに惹かれて。牧野鈴子さんの描く龍が神秘的で素敵です。お話はとても好みで一気読みしました。ただ終盤がやや消化不良気味かな。奈良の室生龍穴神社には龍が居るのかな?居て欲しいな。2015/05/26