内容説明
命を賭けるという心ばえと「周旋家」の才をもって…。古川薫が贈る、若き志士たちの熱い思い。
著者等紹介
古川薫[フルカワカオル]
1925年、山口県下関市に生まれる。山口大学卒業。山口新聞編集局長を経て文筆活動に入る。1991年、『漂泊者のアリア』で第104回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モリー
13
毀誉褒貶半ばする人物、伊藤博文。韓国併合の立役者として評価される一方、明治の元勲の一人として明治維新の勲功を讃えられる。この本では、伊藤博文の人間的な面にも光があてられ、彼の言動も所々織り交ぜられている。彼が初代内閣総理大臣に就任した後でお国入りした際、熱烈な歓迎を受け、地元のために骨を折ってほしいという言葉を浴びる。そこで彼が返した言葉は以下の通り。「(略)総理大臣たる我輩が、山口県を利する何事かをしてくれるであろうと期待しておられるのであろうが、それは間違いである。(略)」やはり傑物だった。2018/07/02