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アネイリンの歌―ケルトの戦の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784338144063
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

7世紀、サクソン人がハドリアヌスの壁を越えようという時代の物語。ケルト叙事詩『ゴドディン』から、若き300人の勇士のうちただ一人戻ってきたという「マナウ・ゴドディンの兵士たち」をベースに、従者プロスパーの少年期からをたどる歴史物語。   中学生~一般

内容説明

吟唱詩人アネイリンによる、いまも伝わるケルトの叙事詩『ゴドディン』。紀元六〇〇年のブリテンを舞台に、少年プロスパーの半生とともに、サトクリフが『ゴドディン』の世界を物語る。

著者等紹介

サトクリフ,ローズマリ[サトクリフ,ローズマリ][Sutcliff,Rosemary]
1920年イギリスのサーリーに生まれる。1950年に『ロビンフッド物語』でデビュー、その後さまざまな歴史小説を発表、1959年には『ともしびをかかげて』(岩波書店)で、すぐれた児童文学にあたえられるカーネギー賞を受賞。1975年には大英帝国勲章のOBE、1992年にはCBEが贈られている。1992年に亡くなるまで40冊以上の作品を発表

本間裕子[ホンマヒロコ]
1962年東京生まれ。青山学院大学大学院博士後期課程満期退学。現在は同大学ほかで非常勤講師を勤めるかたわら、英米児童文学の研究、紹介に携わる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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優希

74
ケルトの叙事詩『ゴドディン』に謳われる世界を描いています。詩に歌われていることが誇りであり、希望である彼らが守り抜こうとしたものがあることが美しかったです。繰り返される戦いが淡々とした語りのせいかかえって悲惨な様子に感じられました。守り抜いてきたものを捨て去るラストが切なくも印象に残ります。鮮やかな情景描写と悲劇の中に差す希望の光に救われました。ケルトの空気が立ちこめる物語です。2015/10/21

ケロリーヌ@ベルばら同盟

59
壮大な叙事詩に身を浸し、馬の嘶き、泥炭の匂い、草原を渉る風の世界を去り難く、拾い読む頁の中に一文を見いだした。「歌や物語をそんなふうにかえられるのかな。歌の終わりは、はじめから決まってるんだと思いますが」そう。わかっていた。誇り高き若者たちが辿る運命は。わかっていても、祈らずにはいられなかった。輝かしい勝利を、友情と信義の永遠を。英国北部に残存する最古の詩にサトクリフが心血を注いで蘇らせた、躍動感溢れる物語。名も無き者たちへの眼差しが美しく愛おしい。2019/08/31

星落秋風五丈原

25
プロスパーは、詩人が見ていなかった部分での騎士達を見ていた傍観者的な存在として作者に必要とされただけではないのか。そう考えてしまうほどに彼の存在感が希薄。プロスパー個人の悩みや楽しみが、全く描かれていない訳ではないが、それよりも、隊を率いる王の庶子に傾倒しある時は、ライバル関係にある親衛隊と競いあい、またある時は、他国の王に披露するため勇気試しに挑む少年達の方が、段違いに強い印象を残すからだ。現在のエディンバラには、かつての王国を偲ばせる遺跡がない。もちろん、300人の彼等の墓碑も見当たらない。2007/06/18

白義

17
ローマ帝国支配が終わり様々な民族が群雄割拠していた紀元600年頃のブリテンで、侵略者のサクソン民族に対しケルト民族が結成した戦士たちの希望なき戦いを静かに、美しき情景とともに詠った物語。原典はほとんど背景が語られない叙事詩であったゴドウィンの歌に丹念に肉付けし、オリジナルの語り手であるプロスパーやその従者コンの視野から偉大なケルトの戦士たちの支援なき消耗戦、籠城戦を哀悼を込めて描き、淡々としているものの、儚い余韻が残る。悲劇であるが最後に全てに裏切られたと知った勇士カナンが西を目指すラストはどこか晴々しい2016/04/25

のれん

14
アネイリンの歌というのは現スコットランド最古の英雄たちの詩として実在するとのことだが、その内容は戦いそのものではなく、参加した戦士300人の武勇伝に集中しているとのこと。 主人公は自由民だが従者として戦地に行き、死によって入れ替わる友や主君と共に歩いていく。彼は詩人と同じく記録者であり、主人公が英雄でないところにこそ力を入れていた。 だからこそあのワイルドハントの情景を1人称で描けたわけだから、ファンタジーの皮を被る歴史小説と見るべきだろう。2023/05/05

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