感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
booklight
23
こんな古民家だらけの場所もあるんだ。奈良県橿原市今井地区は、約500件の伝統的建造物が存在しており、地区内の数としては日本一。その今井町の成り立ちを450年前にさかのぼり、民家の作る過程を描きながら紹介。海の堺、陸の今井、と呼ばれるほど栄えた街で一向宗の町として戦国時代から発達。そのため町全体が要塞として機能し、民家も屋根は瓦、壁は土を厚く塗った白壁で火事を防ぐ工夫がされている。板屋根から瓦屋根に変わっていく様子や平瓦と丸瓦の重ね合わせも初めて理解。圧巻の緻密な瓦屋根の絵は、豪商の威厳を感じさせます。2020/08/22
花林糖
15
(図書館本)中世都市「堺」と並んで栄えた今井の町造りから、牧村家(豊田家)が建築されるまでを描いている(現、奈良県橿原市今井町)。一向宗の今井兵部と門徒たちが作り上げた町が徐々に発展していく様子、町の建物の変化など丁寧に描かれていて、絵本だけれどかなり本格的で楽しく読みました。2020/03/01
りー
11
奈良県の樫原市、今井町。「いまから450年ほどまえ、日本じゅうがいくさにあけくれていました。そのころ、武士のしはいをうけない、農民やちょうにんでつくった集落があちこちにできていました」「大和にも、おなじような町づくりがはじまりました。一向宗の今井兵部と門徒たちが、おしえをひろめるためにつくったのです」文化財指定=豊田家ができるまでを丁寧に描いた本。木の切り方、運びかた、柱の立て方など、勉強になります。絵の端では2人挽きのこぎりで木を切る様子も描かれ、当時の風俗が細部まで描きこまれていることがわかります。2020/04/05