内容説明
詩人茨木のり子の母と愛する夫のふるさと山形県庄内地方。茨木の詩を庄内という地から読んでみたい、庄内の人々や風土が茨木の詩に与えた影響を探ってみたいと「茨木のり子 六月の会」事務局を担う元高校教師の著者が茨木の没後十年にあたって書き上げた渾身の作。
目次
1部 茨木のり子と庄内(茨木のり子の霊を迎えて;茨木のり子とゆかりの人々;庄内を舞台に;庄内をうたう)
2部 茨木のり子の詩の世界(詩から見えてくる世界;『歳月』詩の世界の完結)
著者等紹介
戸村雅子[トムラマサコ]
1941年、山形県大石田町に生まれる。同志社大学文学部文化学科国文学専攻卒業後、山形県立高校教諭(国語)となる。1972年より家庭文庫を開き、子どもの読書活動を開始。1990年頃より茨木のり子の詩の研究を始める。1998年に初めて茨木のり子を訪ね、以来交流を深める。2002年3月、県立高校を退職。2016年12月、初版『茨木のり子への恋文』出版。第47回らくがき文学賞、第60回高山樗牛賞、第33回真壁仁・野の文化賞を受賞する。現在、「茨木のり子 六月の会」事務局長、「子どもの読書を支える会」代表・事務局長、「日本子どもの本研究会」会員、「この本大すきの会」庄内支部会員、「『読書のまち 鶴岡』をすすめる会」常任理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フム
11
山形で生まれ高校で国語を教えていた筆者は、エッセー「東北弁『言の葉さやげ』」で茨木の「母親が庄内地方の産」ということを知った。その喜びにゆさぶられ、足跡をたどることとなった。茨木のり子の夫もまた庄内の出身、彼女の詩の中には雪国の「母の家」をうたったものや、祖母(ばばさま)の思い出を歌ったものがある。「山の女に」「大学を出た奥さん」など茨木が庄内で出会った詩のモデルであろう人達の話も興味深かった。ははの国、庄内の言葉や東北地方の精神は詩人の中に確かに存在していたのだろう。そんな視点での再読もいいかもしれない2018/11/25
不識庵
11
茨木のり子の親族、縁者、そしてゆかりの地を精力的に取材して、詩人の姿に迫った書である。ただ、茨木への崇敬の念がそうさせるのか、所々バイアスを覚える箇所もある。目を引くエピソードもある。「大好きなヲジサンと」古いアルバムに記された一葉の写真。11歳ののり子が叔父と写る写真がある。病弱で兵役に就けず肩身の狭い思いをした人物である。のり子に恋愛の話なども語ったという。詩人、茨木のり子の心に、この叔父はいつまでも残ったであろう。2018/11/01




