内容説明
かりんは、猫のキジオをひざにのせると、ゆっくりと、じゅ文をとなえました。のはら ののはな ののはっぱ、のはら ののかぜ ののかおり、のはら ひろがれ そらのした、のはら ののはな ののはっぱ。心の中で、野原のことをおもいうかべて、なんどもとなえました。ふいに、やわらかな風がほおをなで、目をあけるとあたりのけしきは、すっかりかわっていました。
著者等紹介
島村木綿子[シマムラユウコ]
熊本県生まれ。1998年、童話「うさぎのラジオ」で毎日新聞小さな童話大賞。2002年、詩集『森のたまご』(銀の鈴社)で三越左千夫少年詩賞。主な作品に『七草小屋のふしぎなわすれもの』(第53回青少年読書感想文全国コンクール課題図書)などがある。日本児童文学者協会会員
かんべあやこ[カンベアヤコ]
新潟県生まれ。グラフィックデザイナー、イラストレーターを経て、2010年『モリくんのおいもカー』で絵本作家デビュー。日本児童出版美術家連盟会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
56
優しいお話し。小学3年生のかりんはおばあさんの妹・あやめさんが大好き。でも、あやめさんは飼い猫のキジオをかりんに預けたまま亡くなってしまった…。落ち込んでいたかりんだが、ある日、人間の言葉を話し出したキジオが、あやめさんの秘密の野原にかりんを連れ出す。そこに住む動物たちが教えてくれたのは、知らなかったあやめさんの想い。そして、この野原の草木や動物たちの存在も…。かんべあやこさんの挿絵が温かい。2021/09/12
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
43
猫のキジオに促され、亡くなった大叔母のあやめさんのパッチワークの座布団に座ったら、『ひみつの野原』へと行った。そこにはあやめさんを知っている動物たちがいて、あやめさんとの思い出話をしていく。絵がとても可愛かったです。2019/09/20
ぶんこ
33
飼い猫のキジオが出してきたのは、おばあちゃんの妹あやめさんの手作りパッチワークの座布団。そこに座ると、生き物は人と話すことができました。キジオに導かれて行った先には、あやめさんが大好きだった野原と仲良しだった動植物がいて、かりんちゃんを待っていました。子供の頃から病弱だったあやめさんが夢見た野原。あやめさんが大好きだったかりんには特別な場所。ああ、こんな野原、私も欲しかった。現実世界でのあやめさんの庭は荒れ放題。かりんさんとキジオは少しずつ手入れをすることにしました。かりんさんの描く絵を見たくなりました。2021/09/23
みとん
6
2019年度の中学年の感想画の指定図書。3年生のかりんはある夜、亡くなった大叔母(おばあちゃんの妹)あやめさんの残したパッチワークの座布団に乗って、「ひみつの野原」へ行った。そこには様々な植物があり、様々な生き物もいた。そこでは動物たちとも話ができ、動物たちとあやめさんの話をして・・・という話。絵に描くなら、たくさんの草花や動物を描くのかな~?お話としてはするすると読めるけど、あっさりしすぎかな。あやめさんが亡くなって、かりんが悲しがっているところや、様々な話を聞いてからの変化など、もっとあればよかった。2019/05/28