出版社内容情報
東日本大震災の避難所となった小学校で、被災者といっしょに寝泊まりしていた子どもたち。何を感じ、そして自分たちに何ができるのかを考え取り組んだこととは…。子どもたちの思いをつぶさに伝える感動のノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
74
図書館本。2024年課題図書。 海よ光れ。1つは小学校での劇のタイトル。1つは学校内の新聞のタイトル。どちらにしても地元愛、愛校心が伝わってくる本書のタイトルです。それがあったからこそ東日本大震災を乗り越えられたのでしょう。 テレビやネットでは不適切な場所に避難誘導してほぼ全滅した小学校のことがクローズアップされがちですが、こちらのポジティブなノンフィクションも積極的に紹介、映像化してほしい。 2025/10/05
けんとまん1007
65
子どもたちが持つ力を考える。子どもたち自身の持つ力だけでなく、周囲へ与える力の可能性を考える。人は、そこに何を見出すのだろう。それは、それぞれの人が考えること・感じ取ること。そして、それを受けとって、動き出すことだと思う。決して大きくはない小学校で、そんな力がずっと引き継がれていたことが、とても嬉しく、かつ、ヒントになることが多い。周囲にどれだけ目が届き、そこにいる人への思いを持てるかだともう。2024/08/01
あっか
42
2024年読書感想文高学年の部課題図書。もうずっと涙が止まりませんでした…大沢小学校伝統の新聞作りを通して、東日本大震災を経験した5、6年生達を中心とした当時の様子が語られます。本に登場する大人達のように、子ども達にものすごく励まされました。子どものパワー、エネルギーってすごい!この年齢で、自分より人のことを本気で思いやれること、感謝の気持ちを持てることが本当にすごいです。わが家にも6年生の娘がいるので姿を重ねてしまい、より感動しました(安易に感動なんて言えないですが…)。2024/09/04
雪丸 風人
17
岩手県の特色ある活動で知られる大沢小学校を題材にした良質なノンフィクション。圧巻なのは全学年で毎年同じ劇に取り組む伝統の「海よ光れ」の熱気。津波伝承を盛り込んだ価値ある舞台はその息遣いまでも感じられるような迫力のある描写でした。そして名高い学校新聞「海よ光れ」。元々受賞の常連だった彼らの学校が一緒に被災した人たちを元気づけ、寄せられた支援に広く感謝を伝えるためにそれを選んだのはまさに必然でしたね。それぞれが自分にできることを進んでやる姿勢に、私も負けていられないと感じましたよ。(対象年齢は9歳以上かな?)2024/06/19
mataasita
11
東日本大震災後も、大好きな大沢の地に残り、「海よ光れ」という伝統の全校劇を続け、学校新聞「海よ光れ」を発行し続けた子供たち。震災後すぐに、肩もみ部をつくり、地域のお年寄りを励ました子供たち。大人もその姿や新聞から勇気をもらって、地域のためにまた力を尽くす。本当は劇の内容がもっと知りたくて手に取った本だったが、当時の一端が知れ、また地域や子供の持つエネルギーのすごさに感銘を受けた。廃校が惜しまれるが、これからも劇と新聞、また震災を乗り切った歴史は地域の誇りとして受け継がれていくことだろう。2025-892025/10/13




