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内容説明
話したくない。あんなにおそろしくてつらいことは、早くわすれてしまいたい。だれにも語れず、決して消えずにくすぶり続ける原爆の思い出。ところが、自由研究にするから原爆の話をしてほしいと孫が言い出した。かわいい5年生の孫のお願いにとまどいながら、ソファに深くすわったおじいちゃんは、たんたんと語り始めた…。
目次
1 きっかけは、夏休みの自由研究
2 あの日のこと(1945年の広島)
3 おじいちゃんの決意
4 真夏の体育館で
5 『語り部』への道
6 おじいちゃんが語り部に?
7 おじいちゃんのなみだ
8 縁の下の力持ちに
9 思いが輪のように広がれば
著者等紹介
横田明子[ヨコタアキコ]
1957年、東京都生まれ。学習院大学文学部卒業。第13回ニッサン童話と絵本のグランプリ童話部門大賞受賞作『ば、い、お、り、ん』(BL出版)でデビュー。『四重奏(カルテット)デイズ』で第4回児童ペン賞少年小説賞を受賞。作品多数。一般社団法人日本児童文芸家協会理事
山田朗[ヤマダアキラ]
1956年、大阪府生まれ。明治大学文学部教授、平和教育登戸研究所資料館館長、歴史教育者協議会会長。博士(史学)。日本現代史・軍事史を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
51
読み友さんの感想を読んで。東京大空襲の聞き取りをしていて気付くのは、多くの人が懸命に当時の思いにふたをして生きてきたのだ…ということです。現在語り部として活躍している男性が話すことを決意したのは、孫の存在があったから。まだ第二次世界大戦すら清算できていないのに、この国はまた危険な道を歩もうとしています。出版社が頑張ってくれているのは嬉しい。支援していかないとなあ。2023/04/14
ヒラP@ehon.gohon
33
おじいちゃんが広島原爆の語り部になったきっかけは、孫娘の夏の自由研究だったことに関心を持ちました。 悲惨な被爆体験のことを、誰にも語らず封印してきた心のドアを、小学生が開けたのです。 無関心になってきたのは、戦争を知らない大人世代だと、反省しました。 いろんなことに関心の持てる子どもたちに、事実を伝えることの意義を感じさせてくれる一冊でした。 語り部となった森政さん、生きがいを見つけたようで、その点にも感慨を覚えます。2021/08/20
どら母 学校図書館を考える
19
これは素晴らしい本だ。なぜ、もっと早く存在をキャッチできなかったのか?11歳の孫に被爆59年経って初めて被爆体験を話してからの、森政さんの語り部としての活動の経緯。 1学期の最初の選書に必ず入れる。この本が書かれた時はコロナ禍の真っ最中だったからこそ、こうして活字になった意義は大きいと思う。この本が上梓されて1年も経たないうちに、ウクライナ戦争が始まり、かつて無い核戦争の可能性が高まっている。 人の命が一番、平和であればこそ‥。 2023/03/18
かお
14
原爆の語り部・森政さんの活動、被爆体験に感動しました。涙ぐみながら読みました😢 日本がアメリカや他諸国と戦争をすることになったのかも、丁寧に分かりやすく説明してくれます。日本は被害者だけではないということを、知ることが出来ます。 被爆体験も息を止めて読むほど、引き込まれます。 平和公園に修学旅行で行ったときに、千羽鶴を持って行った事を思い出しました。 児童書だけど、大人にもオススメしたい本です!2022/08/05
エル
10
11歳の時に原爆体験をした祖父。そのあまりにも辛すぎる経験を誰にも語らずにきたが、孫からのお願いで被爆体験を語りだす。戦後も60年を過ぎ、戦争への記憶も関心も薄れていく。小学生が「戦争は何分で終わりますか?」と聞いてきた、という質問はなかなか衝撃的。だからこそ、この方のような語り部は必要だろう。もう二度戦争をしないために。2022/09/02