著者等紹介
せいのあつこ[セイノアツコ]
大阪府出身。立命館大学文学部卒・同大学院前期課程修了。第十二回長編児童文学新人賞佳作。「季節風」会員。「うつのみや童話の会」会員。『ガラスの壁のむこうがわ』がデビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
48
親や先生にも友だちを作るように言われるが、作り方が解らず戸惑う由香。繊細すぎて、色々と考えては想像しているので動作が遅い。由香の内面を知らない周りの人にとっては、暗くて鈍臭いとうつっているのでしょう。いじらしくて切ない。誤解して仲間をすぐにハブるような意地悪な友だちを持つ曽根さん。周囲に迎合せずに自分を持っている篠沢さんと仲原さん。その二人と友だちになった由香。本当の友だちが出来て良かった。2018/04/10
るな
38
お気に入りさんのおすすめの本です(^^♪2022/10/07
杏子
25
心が痛くなった。たぶん私もこの由香と同類だから。気持ちがびんびんと伝わってくる。友だちは作らなくてはいけないと大人の側から突きつけられる辛さ。本だけが待っててくれる友だちだったのに、図書室の先生から、あなたにはこっちの方がいいと違う本を薦められたり、友だちになりたかった子に避けられ、孤立していく自分をどうにもできないでいる由香を見ていると、自分のことのように辛くなった。最後に由香はある方法に自分の価値を見いだしていくが…。思春期に差し掛かった子たちの心を描くのが上手いなぁと感じる。言葉も素敵なイメージ。2018/04/05
chiaki
24
教室内のスクールカーストにヒリヒリ。図書室で1人過ごす時間を大切にしてたはずなのに…大人からの「友だちを作りなさい」に流され、誰かと一緒にいることに安心感を覚えてしまう由香の行動のあれこれがもどかしい。仲良くなった友人を取られたくない、心地好い場所を逃したくなくて、誰かのせいにして妬んだり嫉んだり恨んだり…むこうがわは別世界でもなんでもない。触れるとすぐに壊れてしまうような薄い薄いガラスの境界で、心の強さがなければ、いつだって自分もそちら側に行けてしまう危うさが痛い。風来坊なおじさんの言葉が救いだった。2025/02/03
ぷりん
16
心が痛い。「友だちを作ろう」と周りから言われると、空回りするんですよね。「今のままでよい。」「自分が好き。」という思いをもってほしいなと思いました。篠沢さんと仲原さんとの出会いによって、自分の好きなところ、見つけることができてよかった。 曽根さんはずるい。自分を守るために由香を利用した。こういう子、許せない。2023/01/16