内容説明
キヨシの住んでいた東京の下町は、東京大空襲で焼け野原となった。戦争はむなしく終わり、福島のおばあちゃんのもとに疎開していたキヨシは、東京へ家族をさがしにいく。食べるものもままならない戦後直後、おばあちゃんがもたせてくれたのは、五つのおにぎり。大切なおにぎりをリュックサックに入れ、焼けあとをさまようキヨシが見つけたものとは?
著者等紹介
うるしばらともよし[ウルシバラトモヨシ]
1934年東京・浅草生まれ。(社)日本児童文芸家協会顧問、日本児童ペンクラブ顧問。東京都中学校教諭として28年間勤務後、著述・講演に専念。1963年NHK放送記念祭賞受賞。第45回児童文化功労章受章
よしだるみ[ヨシダルミ]
東京都出身。青山学院女子短期大学芸術学科を卒業後、京都に移住したのを機に絵を描き始める。中国武術講師や絵画教室講師を務めながら作品を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルちゃん
34
美味しそうなおにぎりの絵。今は当たり前のように作る、一つのおにぎりの大切さ。2024/08/06
たまきら
33
東京大空襲の体験者の方々のお話を聞きつづけていますが、その中でもつらいのが戦災孤児となった方々のお話です。お隣の90になるおばちゃんが「駅の子はひどくてねえ…」とポツリと話してくれたことを思い出しました。生き残ることがそのまま他の人の命を踏み越えることにもなりかねた時代、同時に小さな親切が人を救った時代を忘れないでいたい…そう思っています。素晴らしい一冊でした。読み友さんの感想から。2021/09/18
どあら
30
図書館で借りて読了。戦後の混乱の中で、お祖母ちゃんとキヨシが無事に生きていけたらいいな。2021/09/12
わむう
27
太平洋戦争が終戦。田舎の祖母の家に1人で疎開したキヨシ。東京大空襲で両親との連絡が途絶え、探しにいきたいと祖母にお願いする。貴重な着物を売り、切符と真っ白な白米のおにぎり5個を持たせてくれた祖母。おにぎりを見てほしがる小さな子、奪っていく子、遠慮しながらありがたくもらう子。焼け野が原となった東京には両親は見つからず、残ったおにぎり一つを持って祖母の家へと帰る。今、物価高と言っても、買える米があるだけマシかも。日々、感謝して食べるようにします。2025/01/24
みさどん
22
焼け野原の東京に戻ってみて、茫然とするキヨシ。新しい戦争絵本、作られてよかったと思える。食べ物に飢えるということがこれからも起きることがあるのだろうか。ツナミや地震、大災害のあとの日本で、飢えで死ぬ人はいなかったけれど、戦争はこんな苦しみを生み出すのだとよくわかる。これからの人たちに読み継がれなければならない。絵本なだけに、無事おばあちゃんのもとへ帰ってこれてよかった。2021/10/05
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- チンチンボンボさん