男たちの知らない女〈2〉―ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの二つの生涯

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男たちの知らない女〈2〉―ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの二つの生涯

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  • サイズ B6変判/ページ数 434p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336077837
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0098

内容説明

べつの誰かになったときにのみ、彼女は自身の真実を語ることができた。エイリアンについて書くときにのみ、彼女は自分の身体や経験を語ることができた―伝説のSF作家の謎と真実に迫る決定版伝記!

目次

作家の誕生(一九六七年)
ジキル博士とミスター・スポック(一九六八年)
ファースト・コンタクト(一九六九年)
ユカタン半島(一九七〇年)
きこりのシャツで偽装したデカダンな知識人(一九七一年)
友情(一九七一―七三年)
男たちの知らない女(一九七二年)
いまにも割れそうなグラス(一九七三年)
「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」(一九七三―七四年)
ブリキのロケット(一九七四年)
繊細な男(一九七四―七五年)
抑鬱(一九七五―七六年)
メアリーの死(一九七六年)
ティプトリー正体を現す(一九七六年)
「わたしはまるで異星人の人工物のなかで生きるかのように、わたしの肉体のなかで生きている」(一九七七年)
執筆再開(一九七九―八一年)
愛はさだめ、さだめは死(一九八二―八七年)

著者等紹介

フィリップス,ジュリー[フィリップス,ジュリー] [Phillips,Julie]
アメリカ、シアトル生まれ。伝記作家・評論家。文学・フェミニズムについて《ニューヨーカー》《ヴィレッジ・ヴォイス》《ミズ》をはじめとする多くの雑誌に寄稿。本書で2006年全米批評家協会賞のほか、ヒューゴー賞、ローカス賞など多数受賞

北川依子[キタガワヨリコ]
京都府生まれ。京都大学卒、博士(文学)。東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門はイギリス小説(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

とも

47
下巻。作家となり、ティプトリーを名乗って以降の話。 「アリスが自分のジェンダーを手放したいと望んだのは、ひとつには(ヴァージニア)ウルフと同じく世界の半分だけのために書きたくなかったからだ」。 作品の誕生秘話、作家や編集者との友情、ジェンダー観、そして抑鬱と自殺願望。 世間的には「ティプトリー・ショック」で括られる出来事が有名だが、その合間にあるグラデーションの豊かであることよ。 人間アリと人間ティップ。特別な友人ル=グウィンとの絆。名作の裏にある苦悩。ただただ感慨深い。2026/03/24

星落秋風五丈原

36
両親が探検好きだったので、アフリカの冒険旅行に参加しており、動物のはく製と撮られた写真や原住民と写っている写真もある。異なる人種、異なる国と接するのは、昔から特に違和感を抱かなかったようだ。しかし自らのジェンダーには疑いを抱いており、女性に惹かれることもあったと書かれている。大学在学中にパーティで知り合った同い年の青年と駆け落ち婚をするが間もなく離婚し、アメリカ陸軍航空軍に入隊。そこで出会ったハンティントン・D・シェルドンが、文字通り生涯を共にする相手となる。終戦後、養鶏場を経営していたがCIAに勤務。2026/08/13

ぐうぐう

32
「ティプトリーとして書くことは、アリの母親との競争からの脱出にも役立ったにちがいない」確かに、小説家になること、しかもそれがSFというジャンルであったこと、何よりペンネームが男性名であったことは、アリスにとって解放という恩恵をもたらせた。しかし、それはすべてにおいての解放ではなく、恩恵でもない。本書には数々の書簡が引用されているが、中でも揺るぎない絆を構築したアーシュラ・K・ル=グウィンとの、フェミニズムについて熱く語るジョアンナ・ラスとの文通は、実にスリリングで、かつ興味深い。(つづく)2026/04/27

天晴草紙

21
ああ、ティプトリー、ティプトリーあなたはなぜあのような最後を迎えたのか。次第に病み難病で苦しむ夫を殺して自殺したことが残念でならない。多くの傑作SFを世に出した女性の作家が人生最後に出した決意の悲惨さよ。この世は生きることがこれほどまで苦しいのか。長い長い伝記だが、ティプトリーの小説の初読時に感じた奇妙で激しい話にこのような意味があったのかと理解する助けになった。男性と女性の問題に囚われて考え続けた作家だった。分厚い2冊の伝記を読み終えて、文学は結局人を救えないのかと無力感にさいなまれた(涙)。2026/10/01

くさてる

18
いよいよあのジェイムズ・ティプトリー・ジュニアとなった彼女。迷いや失敗も多く、綺麗な話ばかりではないけれど、彼女の個性と時代の関係を思えばそれも当然だったのかも。ル・グウィンとの文通で育った友情の描写が美しかった。苦しいこと、辛いこと、怒りと悲しみが多い人生の中で、あれだけの作品が生まれたことに圧倒された。読み応えありました。ティプトリーのファンならおすすめです。2026/05/13

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