出版社内容情報
時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――12か月のうちの〈3月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。
シリーズ全12巻。
装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
【編者紹介】
西崎憲
翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。
内容説明
〈ひと月〉をテーマに古今東西の文学作品を集めた12か月のアンソロジー。とくべつなひと月のために。
著者等紹介
西崎憲[ニシザキケン]
翻訳家、作家、アンソロジスト。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
44
三月、徐々に寒さも和らぎ春の気配が高まってくる時期。雛祭りを除いて大きな行事もないけれども、その分時期に寄り添った作品が楽しめるのは十一月、二月と共通している。今回も百鬼園先生に綺堂、タルホと偏愛する作家が多くて大満足。サキも相変わらず皮肉に満ちていいなあ、抒情的な出だしとは裏腹なオチが。あと須賀敦子「オリエント・エクスプレス」でブルジョワジーな作品を読んだ後に、佐多稲子「煙草工女」というプロレタリアな作品という対比もアンソロジーならではだなあ。冬と春を併せ持つ両義的な時期を楽しめる一冊でした。2026/03/19
tonpie
22
今月は結構読めた。「春の夜は」芥川龍之介→ 春宵に芥川の理性も羽目を外したような、いい散文詩だと思う。 「ネコロマンティシズム」/内田百閒→ 「ノラや」の回顧談。百閒だから許せる。 「雪の一日」岡本綺堂→ 物語作者の楽屋ネタ随筆。岡本綺堂だから読める。 「春の槍から帰って」板倉勝宣→ 大正10年に「山とスキー」という雑誌に掲載された、若い登山家の実録とアドバイスの文章。槍とは槍ヶ岳のことだろう。若い青年の匂いがする。当時の専門的な符丁語が多くてわからない部分がある。27歳で遭難死している。 ↓2026/03/30
takakomama
7
小説、エッセイ、詩歌、海外の作家さんの作品も収録した、バラエティー豊かなアンソロジー。既読3編? 3月は、だんだん暖かくなり、花々が咲き始めます。春が待ち遠しいです。雛祭りには7段飾りのお雛様を飾ってました。2026/03/01
paluko
6
「春はあまり自分の性に合わない方である。何故かと云えば第一胃が悪くなる、頭が重くなる」(寺田寅彦「春六題」)。3月に本書を読み、さらに胃の調子を崩した自分には妙にタイムリーに刺さった一節。「繰舟で往く家」本当にこんな場所があるのだろうか。ロマンチックすぎ。「豆腐買い」独逸製の皿にフィレンツェで買った提手を付けたものを携えて豆腐を買いにいくという不思議な設定、道中の諸々もすべて欧羅巴と日本が二重写しに。「雛の眼」森鷗外が開眼したという雛人形、ひと目見てみたい!「ごはん」何かまたこういう日々が襲来しそうで…2026/03/03
葵衣
6
泉鏡花「月令十二態」から始まる三月の物語を楽しんだ。特によかったのは須賀敦子「オリエント・エクスプレス」、森茉莉「雛の眼」、向田邦子「ごはん」、宮本百合子「七階の住人」、佐多稲子「煙草工女」。2026/03/03




