出版社内容情報
時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――12か月のうちの〈2月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。
シリーズ全12巻。
装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
【編者紹介】
西崎憲
翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。
内容説明
とくべつなひと月のために。〈ひと月〉をテーマに古今東西の文学作品を集めた12か月のアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
54
二月、冬の朝の森閑とした張りつめたような空気感。読んでいるとこちらまで寒くなるような一冊でした。正月という大イベントがある一月に比べ、二月は特に目を引くようなイベントはない。その為か収録されている作品には主に日常を描いた作品が多いけど、それが逆に二月の空気感、一番寒い時期を照らし出してる気がするなあ。一番気に入ったのは片山廣子「燈火節」と矢川澄子「今日、いちにちの白」。志賀直哉や宇野浩二等の男性作家の作品が俗や日常に徹しすぎているのに対し、女性作家の作品がその中に幻想を見るようなイメージがあり好きです。2026/02/25
ワッピー
34
表紙は雪をイメージした白地に金でタイトルと雪の結晶が押されていて豪華です。1日一話読むつもりがイタリア系の読書にかまけて放置している間に、2月の残りもすっかりなくなり、あわてて読了。どの作品も滋味たっぷりながら、死の諦観「南部」、抱腹絶倒の怪奇現象「ミス・ピンカートンの啓示」は一際あざやか。久々に読んだ「山椿」もまさに山周らしく、欧州の季節感「燈火節」、学生時代に通った図書館再訪「出世」の温もりも、実証精神あふれる「立春の卵」もよく、要するにどの作品も選択の妙により本書内宇宙の白い銀河として輝いています。2026/02/28
paluko
11
『1月の本』はお正月でみんな浮かれている印象だとすれば、こちらでは雪や寒さに圧されて内攻する者あり、反発して遊興に走る者ありと、多少屈折した印象を受ける。「立春開門」"身土不二"を地でいくような食べものの描写が魅力的。「今日、いちにちの白」詩人らしい感性。「出世」まっすぐさが眩しい。「女占師の前にて」書かれている作家たちに通じていないとやや難解か。「南部」しびれる。「追儺」鷗外先生もこんな言い訳を書いていたんですね。「二月の味」寒いと食物に関心が集まるものか。どれも美味しそう。「山椿」堂々たるフィナーレ。2026/01/28
葵衣
5
少し遅くなってしまったが、2月の静謐な空気を感じながら多様な作品をたっぷりと味わった。堀辰雄「雪の上の足跡」、片山廣子「燈火節」、宇野千代「私の特技」、獅子文六「今年の春外套」、沢村貞子「お豆腐の針」、山本周五郎「山椿」が特によかった。2026/03/15
蒼都羽月
4
志賀直哉『雪の日 我孫子日誌』読了。武者小路実篤のこと「武者」って読んでたのともだち感あってなんか好き。昨年に高畑の旧居を訪ねてから志賀直哉への興味がぐんと高まっている。本作は千葉にいる頃の話だけれど、奈良のあの邸宅について書いた話などをもっと読みたい。筆返しの付いた机とか、建前と本音みたいな屋敷の構造とか、子どもたちとの関わりとか。ところで、志賀さんの文章、大学生の頃に読んだときよりも読みやすさを感じた。読書力がアップしたのだとしたらうれしい。今ならもっと志賀作品を楽しく読めるだろうか。2026/02/12
-
- 電子書籍
- AneLaLa トナリはなにを食う人ぞ…




