出版社内容情報
極地探検家シャクルトンの生い立ちから3度目の遠征に向かう航海の途上で急逝するまでの行動と社会的背景、家族、恋愛と結婚、人間関係、夫婦関係、成功と失敗、人間的弱点と強さ、活躍と挫折などを、時に著者自身の体験を交えながら、知られざる新しいシャクルトン像を描き出す。
アーネスト・シャクルトンは南極遠征を3度挑戦し、記録を作ったことはあったが、遠征目的を達成できず失敗した。1回目はスコット隊長の「ディスカバリー号」遠征(1901~03年)に隊員として参加。スコットに従い極点制覇を目指すが、失敗。シャクルトンは壊血病で衰弱しスコットに「役に立たない隊員」として帰還させられる。以後、スコットとの感情的対立に発展。2回目はシャクルトン自身が隊長の「ニムロド号」遠征(1907~09年)。ディスカバリ―号遠征から帰還して様々な職業に就くがいずれもうまくいかない。他方で、南極への憧れが抑えきれず、多方面に迷惑をかけ大きな負債を抱えたまま再度南極へ出発した。この遠征も極点にもう少しのところで食糧不足と体力限界で達成できなかった。3回目は「エンデュアランス号」による「帝国南極探検隊」(1914~17年)。夢を捨てきれず、3回目は南極大陸横断を目指したが、南極へ向かう海路で心臓発作のため急逝した。
シャクルトンは探検家としての輝かしい業績は残せなかったが、現代の偉大な探検家である著者ファインズは自らの体験を通じて、困難をどう切り抜け、挫折を乗り越えるかという観点からシャクルトンに注目し、また深く共鳴し、著者ファインズならではの着眼で実像に迫る。
【著者紹介】
ラヌルフ・ファインズ
著者は南・北両極を巡る世界一周を成し遂げた探検隊(故チャールズ・バートンはこの稀有な旅に同行)の中でただ一人今も健在である。川船やホバークラフト、手動のソリ、スノーモービル、ランドローバー、スキーなどを操り、記録的な遠征を達成した。『Mad Dogs and Englishmen』、『Mad, Bad and Dangerous to Know』、そして『Captain Scott』などのベストセラーの作家。シャクルトンの足跡を辿った数少ない人物でもある。本書では自己の体験をもとにシャクルトンの非凡な人生と不朽の遺産を詳らかにする。
【訳者紹介】
小林政子 (コバヤシマサコ)
明治学院大学英文学科中退、外務省入省。リスボン大学留学後、1988年に外務省を早期退職して翻訳を志す。
主な訳書に、『私の見た日本人』(パール・バック著、2013年)、『壊血病』(2014年)、『最後のヴァイキング』(2017年)共にスティーブン・R・バウン著、『現代の死に方』(シェイマス・オウマハニー著、2018年)、『2084年報告書』(ジェームズ・ローレンス・パウエル著、2022年)(以上 国書刊行会より出版)。『ギリシャ人ピュテアスの大航海』(バリー・カンリフ著、2023年 青土社)などがある。
内容説明
極限の絶望状態。「リーダー」はいかにして困難を乗り越えたか。生い立ちから3度目の遠征に向かう航海の途上で急逝するまでの行動と社会的背景、家族、恋愛と結婚、人間関係、夫婦関係、成功と失敗、人間的弱点と強さ、活躍と挫折など、新資料を基に知られざるシャクルトン像を描き出す。自身も探検隊を組織して南・北両極を巡った著者が、シャクルトンの非凡な人生と不朽の遺産を詳らかにする。
目次
第一部
第二部
第三部
第四部
第五部
著者等紹介
ファインズ,ラヌルフ[ファインズ,ラヌルフ] [Fiennes,Ranulph]
著者は南・北両極を巡る世界一周を成し遂げた探検隊(故チャールズ・バートンはこの稀有な旅に同行)の中でただ一人今も健在である。川船やホバークラフト、手動のソリ、スノーモービル、ランドローバー、スキーなどを操り、記録的な遠征を達成した。シャクルトンの足跡を辿った数少ない人物でもある
小林政子[コバヤシマサコ]
1972年明治学院大学英文学科を中退し外務省入省。リスボン大学留学。1988年に外務省を早期退職して翻訳を志す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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