出版社内容情報
日本随一のコレクションを誇る国立科学博物館の約494万点のコレクションから、日本の生物多様性にまつわる標本をセレクトしてオールカラーで紹介!
日本でもっとも信頼できる科博研究者の視点で選ばれた、こだわりの生物種を大きく美しい写真で楽しみながら、絶滅と復活の物語、そして科学の最前線を知ることができる比類ない書籍。種の保全につながる標本を「再発見」し、未来につなげる本書は、ビジュアルな写真が目を引く、SDGsを考えるに比類ないものであるとともに、手軽で最適な書籍となるはずである。
【著者紹介】
国立科学博物館
1877年に開館した日本でもっとも歴史のある博物館のひとつであり、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館。日本およびアジアにおける科学系博物館の中核施設として、調査・研究、標本・資料の収集・保管・活用、展示・学習支援を推進している。500万点を超える標本・資料のナショナルコレクションを保有し、上野本館(日本館、地球館)、筑波研究施設(総合研究棟、自然史標本棟)、筑波実験植物園、港区白金台の附属自然教育園で活動を展開している。
内容説明
美しい標本、それぞれのストーリー。国立科学博物館の研究者たちが選ぶ、絶滅危惧種を中心に150種超。絶滅の記録、復活の物語、あるいは科学の最前線を知る、日本列島の生物多様性をさぐるヴィジュアルブック。
目次
1 幻となった生き物
2 再発見と復活
3 絶滅寸前種
4 ヒトと生き物
5 リビングコレクション
6 標本の挑戦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
146
日本随一のコレクション数を誇る国立科学博物館だけあって、美しい標本&凄い標本のオンパレード、見事です。 https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336075635/2023/11/30
たまきら
48
ニホンオオカミが表紙です。膨大なコレクションを楽しむのと同時に、現代の研究者による「標本の再発見」も楽しめるカタログです。絶滅してしまったからそこで終わりではありません。絶滅種ニホンオオカミは現在イヌの起源研究において重要な位置にいますし、一時期大問題となったカエルツボカビが100年以上前の標本から検出されたことにより、東アジア起源の(日本在来の)病原体であったことがわかったりしたのも大きい発見でした。新たな研究技術も確立されており、今後も標本の重要性は変わらないでしょう。面白かったです。2024/01/20
neimu
41
朝ドラで牧野富太郎の話をやっているときは植物への関心が高まったが、標本そのものに対してはどうか。科学博物館のような施設が身近にあれば、自分の子供時代も変わっただろうに、たった3冊の図鑑(昆虫・植物・貝)だけをためつすがめつ眺めた日々。それも写真では無く絵だったあの頃。こんな風に来歴や採取場所、再発見された最新の資料など自分の知らない世界が広がる。動植物の普段見たことも無い標本写真の色あせた、その写真さえも感慨深い。トキ、ニホンオオカミのような有名どころに、トキと共に滅びた固有のダニの話など、実に興味深い。2025/02/23
更紗蝦
30
2021年に国立科学博物館で開催された『発見!日本の生物多様性~標本から読み解く、未来への光~』の展示内容を元に編集された本です。標本の美しさを楽しみつつ、絶滅生物について学べる内容となっていますが、「博物館の役割を知るきっかけになってほしい」という意図も読み取れる内容になっています。日本産トキにしかついていないために日本産トキと共に絶滅してしまったトキウモウダニや、新種として記載された時点で絶滅していたサガミメドハギは、読んでいて切なくなりました。2024/01/10
ぽけっとももんが
13
標本を集めるスローガン三つの無とは「無目的、無制限、無計画」だと以前川田伸一郎氏の本で読んだ。とにかく集めに集めるのが肝要。だから保管のための電気代がかかるのだ。物議を醸したクラウドファンディングだけれども、そのことを世間に知らしめる意義は大きかっただろう。標本は美しいし紙質はいい感じだし眺め捲る楽しみ。重いけど。クラウドファンディングの返礼のオリジナル図鑑が届くのがますます楽しみになってきたぞ。2024/04/03