内容説明
10年経ってさらに進化したUAEの生活、中東ムスリムの姿を描く。家族、男女、環境、商売、宗教、国際関係など、新たな秩序を模索する湾岸諸国は21世紀をどう生き抜くか。
目次
第1章 環境と闘わず
第2章 私と家族と生徒
第3章 異文化を生きる
第4章 アラブのジレンマ
第5章 コロナ時代を生きる
第6章 建国五十周年
著者等紹介
ハムダなおこ[ハムダナオコ]
日本UAE文化センター代表、エッセイスト。1989年早稲田大学文学部文芸科卒。1990年、UAE男性と国際結婚し、UAEに移住。3男2女をもうける。2005~09年、アラブ・イスラームの生活について勉強会を主宰。その後、日本人に向けて講演、エッセイなどでUAE社会を紹介し続ける。2008年、日本UAE文化センターを創設。日本文化をUAE地域社会に、UAE文化を日本社会に伝える活動を続けている。2012年、第8回「文芸思潮」エッセイ賞受賞。2015年、第3回「潮」アジア・太平洋ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
noko
4
30年以上、UAEに住んでいる、日本出身の著者のエッセイ。エッセイだけど内容は結構重めかも。イスラム圏で暮らすと、日本の感覚とは全く異なる。今は大発展したUAEだが、移り住んだ頃は、ビルもほとんどなく、人口も少なかった。お姑さんはいまだに冷蔵庫を使うのに慣れていなかったりする。兵役も、突然決まり、息子がキャンプへ出かけていく。ジェンダーの問題も(現地の人は問題と思ってないかもだが)沢山で、男性ならば許されることが、女性だと許されなかったり、父親の権限がものすごく強い。教育事情もよくわかりました。2024/08/21
Maumim
4
アラブ首長国連邦に結婚して移住した女性のエッセイ。アラブ首長国連邦はトランジットで半日観光したことがある。 長年アラブで暮らしてきた女性ならではの、イスラムからの視点にハッとさせられる。わたしたちが日本人として持ってしまっている思考回路がいかに主観で、時に偏見でしかない。イスラム教徒の考え方と見方、世界的に大流行した新型コロナウイルス感染症への対応とそこを乗り越えて向かう未来。アフガニスタンの政変に関してもアラブからの観点が説明されていて、納得がいく。軽いエッセイを予測していたら、異文化理解の根本を論じる2024/03/31