出版社内容情報
軽妙洒脱、ナンセンス、荒唐無稽、エロティック……少年・少女・青年漫画の連載で多忙を極めていた手塚治虫が自らの愉しみのために書き続けた〈大人漫画〉を初めて集大成!
ウィットとヴァラエティに富んだ手塚治虫のアナザーサイドが味わえる大人漫画の短篇作品を、ほぼすべて雑誌掲載版の手塚による手書き文字セリフで復刻。
「よろめき動物記」、「週刊テレビジョン」連載の1コマ「手塚治虫のTVマンガ」は初の完全版。単行本未収録の1コマ作品ほか、単行本初収録・全集未収録作品も多数掲載。カラーグラビア16頁。
【著者紹介】
手塚治虫
1928年大阪府豊中市生まれ。大阪大学医学専門部卒。医学博士。46年『マアチャンの日記帳』でデビューし、47年『新寶島』が大ヒット、以来日本のストーリー漫画の確立に尽くす。またアニメーションの世界でも大きな業績を残した。代表作に『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』『ブラック・ジャック』『アドルフに告ぐ』などがある。89年逝去。
内容説明
軽妙洒脱、ナンセンス、荒唐無稽、エロティック…手塚治虫が漫画本来の面白さを追求して自由に描き続けた“大人漫画”、その短篇・1コマ作品を集成!ブラックユーモア、SF、不条理に満ちた知られざる異色作品全一〇〇〇ページ。
目次
手塚治虫大人漫画大全1(第三帝国の崩壊;昆虫少女の放浪記;ああ、平和の女神!;兵隊貸します;虻須虎家 ほか)
手塚治虫大人漫画大全2(くるします・いぶ;敷金ナシ!;すっぽん物語;一族参上;2・11事件 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
37
常々、手塚治虫の大人漫画はもっと評価されて然るべきと思っていた。なので、このような企画本は大変喜ばしい。しかも、函入りという豪華さ。本当に凄いのは中身だ。手塚の大人漫画は、ふきだし内の言葉が手塚自身の書き文字であるのが基本だった。とはいえ、単行本に収録される際、手書き文字は写植による活字文字に変換されることが多かった。本書では、手書き文字も作品の一部と判断し、大量の手書き文字を掲載誌からひとつずつ移植するという気の遠くなるような作業が行われている。しかし、それがとてつもない効果を生んでいるのだ。(つづく)2024/01/01
剛腕伝説
8
流石の手塚治虫もギャグマンガ?になると極端につまらなくなる。2024/10/11
KDS
4
特殊加工函仕様の豪華上製本。全二巻合わせて1000頁超えの大ボリューム。初めて読んだ作品も多く、既読のものでも雑誌オリジナル版で収録。しかもセリフなどの文字部分が雑誌掲載時の手塚治虫の書き文字で復刻されている作品がほとんど。これにより写植文字のものとは随分印象が違っていて、かなり新鮮な気持ちで読み進めることができた。講談社文庫全集の「フースケ」に収録されていたものは全て入っているが、同じ「フースケ」ものでも「2・11事件」などは文庫には未収録だったので今回が初読み。フースケが大国主命役なのが面白い。2024/01/14