内容説明
明治政府が主催した“国宝”揃いの「内国絵画共進会古画の部」、帝室博物館総長・森〓外による学芸活性化の試み、戦時体制下の「正倉院御物特別展観」、GHQと美術展の関わり、徳川家当主も出馬したルーブル展の対仏交渉、マチスやピカソら巨匠へのアプローチ、8年がかりのゴッホ展―数々の興味深いエピソードを散りばめながら、近代日本の美術展の歩みを、美術館のみならず、新聞社や百貨店の参画、それらの連携にも光を当てつつたどった初めての通史。図版170点以上。美術展年表・美術館開設年表・各種索引付き。
目次
第1章 日本における美術展の生成
第2章 文化需要の増大と美術展の担い手たち
第3章 拡大する美術展のコミュニティ
第4章 戦時下~戦後初期に形成された連携の枠組み
第5章 日本型の連携と現代美術、海外へのまなざし
第6章 ドキュメント世界との対峙
第7章 新聞社それぞれの戦い
第8章 博物館・美術館の展開と100年の到達点
エピローグ 「長い20世紀」の終わり
著者等紹介
陶山伊知郎[スヤマイチロウ]
1960年、名古屋市生まれ。1984年、一橋大学経済学部卒業。同年読売新聞社に入社。事業局で主に美術展を担当する。ニューヨーク支局駐在、読売書法会事務局長、文化事業部長、専門委員などを経て、2020年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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