内容説明
過保護に育てられたレデヴン館の相続人ビル・レデヴン少年は、同年代の少女のいる知人宅で休暇を過ごすよう親に命じられ、気乗りしないまま、シルバーのロールスロイスに乗せられ目的地に向かっていた。ところが、霧が濃くたちこめた荒れ地の途中で、いきなり、意味も分からないまま、お抱え運転手のブランドンに車からつまみ出されてしまう。同じころ、周到な計画のもとに、“ナイフ”と呼ばれる若者がボースタル少年院から逃亡する。ビルは荒れ地をさまよううちに少年パッチと知り合い、行動をともにするようになる。二人はビルが思わぬ形で手に入れた暗号で書かれた文書を解読しながら、“にやついた若者”、“ヴァイオリン”、片手が鉤爪の男との、追いつ追われつの冒険へと踏み出してゆく。オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、いわゆる英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家としてゆるぎない地位を築いたクリスチアナ・ブランドが、すべての少年少女のために、みずみずしい筆致で、荒涼とした大地と海が広がるイギリス南部のダートムアを舞台に繰り広げられる冒険を描いたジュヴナイルの傑作。
著者等紹介
ブランド,クリスチアナ[ブランド,クリスチアナ] [Brand,Christianna]
1907‐1988。イギリスのミステリ作家、児童文学作家。イギリス領マラヤ(現在のマレーシアの一部)で生まれ、イギリス領インド帝国で育つ。イギリス帰国後の17歳のときに親が破産したため、生活のために、モデル、ダンサー、家庭教師、店員などさまざまな職を転々とする。1941年に『ハイヒールの死』で本格的に作家デビュー。その後、オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、いわゆる英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家としてゆるぎない地位を築いた。1950年代後半からは他のジャンルや短篇にも力を注ぎ、児童文学のマチルダばあやシリーズも人気を博した・1972年から1973年にかけて英国推理作家協会の会長を務めた
宮脇裕子[ミヤワキユウコ]
翻訳家。東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業
山口雅也[ヤマグチマサヤ]
早稲田大学法学部卒業。大学在学中の1970年代からミステリ関連書を多数上梓し、89年に長編『生ける屍の死』で本格的な作家デビューを飾る。94年に『ミステリーズ』が「このミステリーがすごい!’95年版」の国内編第一位に輝き、続いて同誌の2018年の三十年間の国内第一位に『生ける屍の死』が選ばれKing of Kingsの称号を受ける。95年には『日本殺人事件』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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