出版社内容情報
ホセ・レサマ=リマ[ホセレサマリマ]
著・文・その他
旦敬介[ダンケイスケ]
翻訳/解説
内容説明
一家に君臨するホセ・エウヘニオ大佐と喘息持ちで鋭敏な感性を持つ長男ホセ・セミー、熱帯の光に満ち満ちた日々の中で、オラーヤ家とセミー家にもたらされる生のよろこびとふりかかるあまたの苦難、痛苦な愛と非業の死―典雅で混成的なクリオーリョ文化が濃密に漂う革命前のキューバ社会を舞台に、五世代にわたる一族の歴史を、豊穣な詩的イメージとことばの遊戯を駆使して陰影深く彩り豊かに描いた、20世紀の奇書にして伝説的巨篇がついに邦訳!
著者等紹介
レサマ=リマ,ホセ[レサマリマ,ホセ] [Lezama Lima,Jos´e]
1910年12月19日ハバナ生まれ。幼少時より喘息に悩まされた。キューバ軍士官だった父親は、第一次大戦に志願し、渡欧するためにフロリダ州の米軍基地に滞在中、インフルエンザにより1919年1月に死去。ハバナ大学法学部に入学したが、1930年から政治的弾圧によって大学が閉鎖されたため、卒業は38年になった。その間に読書と詩作への関与を深め、1936年、スペイン戦争を逃れてキューバを訪れたスペインの詩人フアン・ラモン・ヒメネスと出会い、詩人としての評価を得る。官吏として勤めながら、『ナルシスの死』『敵なる物音』などの詩集を発表する一方、自費でいくつもの文芸雑誌を刊行し、中でも『オリヘネス』誌は1944年から56年まで続いた。『パラディーソ』の一部はここに掲載された。49年にメキシコ、50年にジャマイカを短期間訪問。1957年に講演をもとにした評論集『アメリカ大陸の表現』刊行。キューバ革命後は政府文化局の文芸出版部やキューバ文学研究センターなどで公職をつとめた。1961年に姉と妹の一家が亡命して一家は離散した。1964年、1930年よりトロカデーロ街の家(現・博物館)でともに暮らしてきた母親が死去。同年、妹の学生時代の友人マリア・ルイーサと結婚。1966年『パラディーソ』刊行、ブルジョワ的な生活描写と性的な内容が問題視された一方、高い評価も得て、国外でも出版される。しかし1968~71年のパディーリャ事件で批判の対象となり、出版や公的な場からは遠ざけられる。1976年8月9日、ハバナで死去
旦敬介[ダンケイスケ]
1959年生まれ、東京都出身。作家・翻訳家、明治大学国際日本学部教授。ラテンアメリカ文学、アフロブラジル文化。著書に『旅立つ理由』(読売文学賞)、『ライティング・マシーン』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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