内容説明
山東省に生まれいまや世界全域に広く普及している、中国を代表する武術、螳螂拳。「転瞬閃身」「連撃手法」と称される俊敏な動きと連続攻撃を特徴とするこの武術はなぜ山東省で成立したのか―。長い歴史が育んだ山東の武侠精神、倭寇との関わり、社会情勢のめまぐるしい変化、民間秘密宗教組織の台頭…。日本を代表する螳螂拳の第一人者が歴史、文化背景と技法を架橋しその成立過程と真の歴史を明らかにする決定版通史。
目次
第1章 山東武術の気質とは―歴史のレイヤーを探る(山東省と山東人;現代に続く中華帝国の原型―明朝 ほか)
第2章 中国人と江湖社会のレイヤーを探る(中国社会の二面性;民間秘密宗教 ほか)
第3章 膠東の中心―煙台の武術(かつての膠東の中心―煙台;膠東武術地区に伝わる武術要領)
第4章 煙台武術に影響を与えた名門武術(太祖長拳;秘宗長拳 ほか)
第5章 山東膠東から世界に発展した螳螂武術(莱陽螳螂拳;莱陽螳螂拳―膠東からの伝播の概況 ほか)
著者等紹介
根本一己[ネモトカズミ]
1960年東京都出身。1976年より日本太極拳協会で中国武術の基礎となる長拳及び羽田稔にハルピン孫亮亭系少林拳を学ぶ。その後国内の拳友らと交流を深め、1981年より上海の馮如龍、王菊蓉をはじめ、瀋陽の徐其成らと交流し、査拳、螳螂拳を学ぶ。1984年第1回全日本太極拳・中国武術表演大会拳術部門2位。1989年はじめて山東省煙台市を訪れ、「莱陽三大山」と謳われた王玉山の息子である王元亮に入門し、宋子徳系太極螳螂拳を学ぶ。また翌年の1990年より日本老螳螂拳研究会を主宰し、同好の拳友らと螳螂拳の原点を求め活動を開始。師亡き後の2002年以降も山東青島、莱陽、海陽に訪問を続け、螳螂門各派の老師と交流し、現在もその原点となる螳螂術を研究中。2019年「第1回日本国際螳螂拳論壇交流」を主宰し、台湾雲海武壇傳藝中心の若手の老師と東京で日本初の論壇形式の交流会を開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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