内容説明
この四半世紀でもっとも影響力のある仏教学者と評されるグレゴリー・ショーペン。彼の手にかかると、経典の何気ない一節が、ありふれた寄進碑銘が、ほとんど注目されない仏典が、新たな相貌を見せ始め、インド仏教の生きた世界を語りだす。碑文・考古学・美術・律文献が照らし出す、“実像”の断片が、ここにある。
目次
虚像(大乗とインド仏教中期―漢文資料という鏡を通して;『金剛般若』の「その地点は塔廟となるであろう」という成句―大乗の経巻崇拝についての覚え書き;仏陀の遺骨と比丘の仕事―初期大乗経典に見るストゥーパをめぐる論争と伝統教団の価値観;比丘たちを経典に立ち戻らせる―初期大乗仏教における崇拝儀礼と保守主義;梵語大乗経典文献における一般化された宗教的目標としての極楽世界 ほか)
断片(インドの碑文における大乗;クシャーナ期阿弥陀像碑文とインド初期大乗の特質;大乗経典を典拠として描かれたアジャンターの観自在像の曖昧さとその暫定的な比定―ウォルター・スピンクに宛てて;ナーランダー出土10世紀碑文における『普賢行願讃』の1詩節;「アバヤギリヤ出土の陀羅尼石」について―セイロンの大乗仏教文献研究のための1資料 ほか)
著者等紹介
ショーペン,グレゴリー[ショーペン,グレゴリー] [Schopen,Gregory]
1947年、米国サウスダコタ生まれ。ブラックヒルズ州立大学(学士、アメリカ文学、アメリカ)に学び、マクスター大学(修士、宗教史、カナダ)を経て、オーストラリア国立大学(南アジア・仏教学)でドゥ・ヨング教授の許で学位を取得。博士論文のタイトルは“Bhaisajyaguru‐s〓utra and the Buddhism of Gilgit”(「薬師経とギルギットの仏教」)。現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校アジアパシフィックセンター名誉教授。これまで、インディアナ大学ブルーミントン校(1984-91年)、テキサス大学オースティン校(1991-99年)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(1999-2012年)を経て、現在はブラウン大学宗教学部教授として教鞭をとっている
渡辺章悟[ワタナベショウゴ]
東洋大学教授。東洋大学大学院博士課程満期退学。博士(文学)
上田昇[ウエダノボル]
1949年生。目白大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学(印度哲学専攻)。博士(文学)
加納和雄[カノウカズオ]
1974年生。駒澤大学准教授。ハンブルグ大学アジアアフリカ研究科修了。文学博士
計良龍成[ケイラリュウセイ]
法政大学教授。ローザンヌ大学博士課程修了。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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