内容説明
笑いの大博覧会、復活!名翻訳家浅倉久志のライフワークである“ユーモア・スケッチ”ものを全4巻に集大成。第1弾は『ユーモア・スケッチ傑作展1』(全25篇)+単行本未収録作品20篇。
著者等紹介
浅倉久志[アサクラヒサシ]
1930年生。英米文学翻訳家。50年大阪外国語大学卒。2010年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
18
〈ユーモア・スケッチ傑作選1〉である。この巻では、俺には「自転車の修繕」「忘れられらバッハ」「「騎士道残酷物語」「二百歳まで生きる法」辺りがよかったかな。まあ、なかにはちょっと悪かった話もあったけれど、それも含めてだよねえ。……というわけで2巻に続く。2022/06/19
くさてる
14
ユーモアは時代と文化の制約がホラーやミステリより大きくて、この傑作選も個人的には大笑いするものではなかったんだけど、そこに描かれているアメリカの風景はとても楽しいものでした。バックウォルド「ダイエットの秘訣」「七年目の浮気」コーリイ・フォード「男(女)だけの世界」が好き。ユーモアとはいいがたいフリードマン「自殺志願」が衝撃的でした。2022/05/29
きゅー
11
「ニューヨーカー」や「プレイボーイ」に掲載されていたユーモアあふれる古き良き時代の小咄を集めたもの。もともとは1980年前後に『ユーモア・スケッチ傑作展』(全3冊)として刊行されたものが、この度未収録作品を大幅に追加し、全4冊で刊行されることとなった。1冊に45篇も収録されているのだから、作品の質については玉石混交。邦訳がいくつか出版されているジェイムズ・サーバーなどは面白いが、他方でどうにも救いようがないものもちらほら紛れているのもご愛嬌だ。2022/03/22
garth
11
単行本未収録を含めた完全再録に若島正の解説、畑農照雄のイラスト、牧眞司の補遺と欠けるところのない完璧な復刻版。完璧すぎて言うことがない。2022/02/28
スターライト
11
浅倉さんがユーモア小説にも造詣があり、ご自身〈ユーモア・スケッチ〉と題して本を出されていたことは知っていたが、それが今回〈ユーモア・スケッチ傑作展〉として全4巻に集成。単行本未収録作品に『ミクロの傑作圏』も収められるのだから期待は否応なく増していた。その第1巻である本書は、結婚相手の女性に会うために列車に乗ろうとした青年が老紳士に声を掛けられとんちんかんな会話を繰り広げる作品から始まり、読者が予想もしない結末へと導く珠玉の作品のオンパレード。それが大真面目に語られるのだから、余計におかしい。続刊にも期待。2022/01/20