内容説明
共産党統治下のチェコスロヴァキア(現チェコ共和国)に生まれ、自由を求めてアメリカに亡命した世界的絵本作家、日本初の作品集!
目次
1 「かべ」のなか
2 自由の国
3 子どもたちのために
4 探求の旅
5 夢を追う
特別対談 闇のプラハへの旅路(ピーター・シス×柴田元幸)
ピーター・シス、ロック、アニメーション(赤塚若樹)
シスとプレヴェール:自由の執行猶予期間(ジャン=ギャスパール・パーレニーチェック)
チェコ、絵本の源流:シスのアイデンティティを探って(小野寛子)
チェコの、そして世界の絵本作家ピーター・シス(ヤナ・チェニュコヴァー)
アメリカでみつけた絵本作家という居場所(岡本梓)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
81
練馬区立美術館「ピーター・シスの闇と夢」展の図録。会場で流されていた翻訳者・柴田元幸さんとの対談もしっかり収録されていて読み応えある。冷戦下のプラハに生まれ育ち、自由を奪われていた。35歳でアメリカに亡命し、自由を勝ち取る。「闇」は、全て検閲される壁の中であり、「夢」は、その壁の隙間から見えてくる光であり亡命したアメリカで描いた世界だ。美術館の会場で見た暗い絵と色鮮やかな絵を思い出しながら読んだ。2021/12/06
蘭奢待
38
ソ連共産党時代のチェコで育ち、アメリカに亡命した絵本作家。いかにも暗いタッチのチェコ時代の作品に比べて、アメリカで描かれた作品は明るいものが多い。本の版型は大きめの横開きではあるが、肝心の作品が緻密かつ小さく、細部をみるためには拡大レンズが必要だった。(歳のせい?) 巻末に数人のシス評が掲載されているが、少し冗長。2021/12/11
ふう
27
読み友さんに感謝。素敵な本でした。見逃した展覧会の図録を兼ね、ピーター・シスの生涯と素晴らしいたくさんの作品に触れることができました。これからシスの絵本を読んでいきます。2023/09/30
真琴
15
図書館の新着コーナーより。「チェコ出身の絵本作家ってどんな作品を描くんだろう?」と興味本位で手に取りました。共産党統治下のチェコスロバキアで生まれ、アメリカへ移住したピーター・シス。彼の生きてきた時代背景やそのことから生まれた作品たち。「凄い・・・。」としか言いようがありません。全作品読破したい!! ★★★★★2021/11/08
はなびや
14
以前、ピーター・シスの伝記絵本について調べたことがあり、その時はシスの資料があまり見つけられずだったが、この本では、作品と共にその背景も網羅されており、私にとっては待望の本だった。日本では未邦訳のニコラス・ウイントンの伝記絵本をぜひ読んでみたい。どこかの出版社で出してくれたらいいのに。2022/07/21
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