内容説明
ポー、ワイルド、カフカ、フロベール、ダンテ、スピノザ、ルゴーネス、幻想文学、推理小説…偏愛のやまない作家と作品をめぐり、20世紀文学を代表する巨匠が縦横自在に語った深遠で博大な118の対話。多彩なテーマは日本、仏教、映画や、キリスト、仏陀、母、友情までにおよぶ。世界各国で出版されている名著の完訳版、本邦初訳。
目次
第1部(アルゼンチン人のアイデンティティ;百代の過客;秩序と時間 ほか)
第2部(ソクラテス;合衆国について;書物崇拝 ほか)
第3部(補遺)(最初の対話、一九八四年三月九日;『天国・地獄百科』、スティーヴンスン、バニヤン;因果律 ほか)
著者等紹介
ボルヘス,ホルヘ・ルイス[ボルヘス,ホルヘルイス] [Borges,Jorge Luis]
1899年生れ。アルゼンチンの作家。20世紀を代表する小説家・詩人。代表作に「伝奇集」「エル・アレフ」「創造者」ほか。1986年歿
フェラーリ,オスバルド[フェラーリ,オスバルド] [Ferrari,Osvaldo]
1948年生れ。アルゼンチンの詩人・評論家
垂野創一郎[タルノソウイチロウ]
翻訳家。1958年生まれ。東京大学理学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
loanmeadime
10
1984-85にラジオで放送された詩人オズバルド・フェラーリとの対談を書籍化した一冊です。正編が90編、補遺が28編からなり、ボルヘスの作品と、アロンソ・キハーノの話など文学について深い会話が繰り広げられます。イェイツやホイットマンなど名前だけ知っている、古典も一度読んでみようという気になりました。ブエノス・アイレス市民にとっては馴染みでも、私には遠い人物名なども多く出てくるので、たくさん検索をしましたが、その中で、9歳のボルヘスが7歳の妹ノラと一緒に写っている可愛らしい写真を見つけたりしました。2024/09/28
syuu0822
7
ボルヘスとフェラーリの様々なテーマに渡る118の対話篇。 時に刺激的な、またある時には少し退屈な旅でしたが、旅の途中ではっとさせられる金言に出会うのが楽しみでした。 最後の索引の多さを見ると、二人の知識の広さが分かります。 値は張りますが、ボルヘスファンなら買って損はない一冊です。2022/04/08
warimachi
3
やはり読書とは純粋に娯楽であるべきなのだ、と感じさせてくれると同時に、日本語訳でしか読めないことは海外文学の理解をあまりにも妨げているのだなあとしみじみ思い知らされもした。2022/01/04
monado
3
ボルヘス以上にボルヘスを知る男と引用うんちくおじいさんボルヘスのほのぼの対談。細かいネタが大量に詰め込まれているので、どこを拾い読みしても面白い。ジョイスへの言及が多いことが意外だった。 また死を予感するボルヘスの哀愁も味わい深い。2021/11/29
朧爪うつら
2
ここまで文字にしても耐えうる対談ができるのは相当な技術がいることだ…。ボルヘスはいいとして、対話相手もよくついていけるなあと確認するとなんと詩人でした。つまり詩人同士のプラトン級の対話が読める本です。ボルヘスの著書は全ては読めていないけど、元々読書愛好家で、後期に盲目になっても作家活動を続けたことはなんとなく知っていて、書くことと読むことを愛した人が一気にそれを取り上げられたとき一体どんな心情だったのだろう、その後どうやって執筆や読書を続けていたのだろうとずっと気にはなっていた。2025/12/07




