内容説明
英国王室御用達、笑いの大巨匠。あのウッドハウスの新シリーズ登場!!P・G・ウッドハウスの未知の傑作小説を続々と紹介。第1回は、百万長者のうえに容姿端麗、気立てもバツグンだけど、ちょっとおまぬけな青年紳士ボドキン君が主人公。豪華客船を舞台に、ワニを飼うお騒がせの人気赤毛女優、問題の多い変人客室乗務員、ヘーゼル色の瞳の女子ホッケー選手などなど、あいも変わらぬ奇人と怪人たちが船上狭しと大活躍。最上質爆笑保証付きの至高の名作、本邦初訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
39
童話とは違うんだろうが、ドタバタ喜劇を楽しめる小説だった。スコットランドを含む英国というものに造詣が深いとより楽しめるんだろうと思える諧謔や皮肉のオンパレードに笑わせてもらった。別段大きな事件が起こるわけでもないんだが、豪華客船の中でしょーもないやりとりと誤解が入り混じって、その中心で情けないけども勇気ある正直者であるボドキンが、実に英国紳士らしく振舞う、ただそれだけの話なんだけども、それがとても楽しい物語でした。英国紳士像という偶像がよくわかった気がする。2021/11/23
星落秋風五丈原
35
ウッドハウス作品は「フツーにしてればいいのに、フツーに」と一般庶民が思うようなことを、わざとややこしくする登場人物によって引っ掻き回される。本編の場合はさしずめアイヴァ―の妻で女優のグレイスだ。「購入したダイヤモンドの関税を払いたくないから密輸してよ」と夫に頼んだことが騒動の始まりとなる。映画会社の社長だから金はうなるほど持っているはずで、夫に払ってもらえばいい。夫も別に嫌がっていない。なのに本人だけがしつこく密輸に拘り妹メイベル・スペンスによるリモートコントロールで夫をせっつき、果ては離婚を盾に脅す。 2021/07/30
Naoko Takemoto
12
手にした瞬間、ぶ厚っ!とひるんだが、くだらない会話やり取りが多くてサクサクすすんだ感。獅子文六のドタバタ劇とダブったところもあり。娯楽小説の部類に入るのだろうが、時代背景や30年代の欧米習慣も相まってちょっと分かりづらい。ウッドハウスはシナリオライターでもあり”承”と"転”のウィットが効いていて、これがなければ時間の無駄になっただろう。巻末の訳者の解説がやたらにハイテンションで、それを読んで逆に萎えた。(国書刊行会から次の仕事を貰ってウレシー的裏事情が丸見え)巻末解説は内容を冷静に解説してください。2021/08/15
ハルト
10
読了:◎ ウッドハウスならではの、てんやわんやの騒動劇。一つのトラブルが次に繋がり、また次へと連鎖していくさまは、これぞウッドハウス節と云っていい手腕。正直、女性陣のごたごた加減にいらっとすることもあるのだけれど、それもひっくるめて、最後大団円に持っていくのが楽しい。文章もユーモアが利いている。ルウェリンが最後、すべての損をかぶらされたのが気の毒ではあったか。いい喜劇でした。2021/08/07
gibbelin
6
優雅なドタバタ小説。アルバート・ピースマーチ、いいキャラだと思ってたら大活躍だ。 2021/07/26
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- 和書
- 論孟精選 (新装版)