内容説明
「イジメってどういうこと?」まさかの世界がここにある!自殺、イジメ、過労死、セクハラ、引きこもり、孤独や老後不安がない世界なんて、地球上には絶対にあり得ない!…と信じる人は、アラブ世界の迷宮で宝探しに出掛けてみよう。
目次
ムスリムにならう幸福の見つけ方
イスラームの教えとは
現実を数値で捉えよう
アラブに自殺はない
アラブにイジメはない
アラブに勝ち組負け組はない―あるのはたったひとつの勝ちだけ
アラブにセクハラはあるか?
アラブに過労死はない
アラブに引きこもりはない
アラブに孤独死はない
すべてに代償はある
著者等紹介
ハムダなおこ[ハムダナオコ]
日本UAE文化センター代表、作家、エッセイスト。1989年早稲田大学文学部文芸科卒。1990年、UAE男性と国際結婚し、UAEに移住。3男2女をもうける。2008年、日本UAE文化センターを創設。講演、エッセイ、ジャーナルなどを通して、日本文化をUAE地域社会に、UAE文化を日本社会に伝える活動を続けている。2012年、第8回「文芸思潮」エッセイ賞受賞。2015年、第3回「潮」アジア・太平洋ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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更紗蝦
30
タイトルを見た時、「小学校の“道徳授業”的な建前論が書いてあるのでは…?」と疑ってしまったのですが、ストレートに道徳観や倫理観をテーマにした内容なのではなく、ムスリムの価値観や文化を理解することで「命の大切さ」や「人間が人間らしい生活を送ること」について自然と“気付かされる”内容になっています。「ラマダーンの目的」や「ムスリム国家で女性政治家や女性医師が多い理由」が書かれている点も注目に値します。2021/07/07
paluko
9
すべての社会、すべての時代を見てきたわけでもないのに「イジメのなかった社会はないし、人間社会からイジメがなくなることはありえない」みたいな事がしたり顔で語られがちだが、痛烈なカウンターとなる一冊。「イジメの対象となる部位(外見、出自、性格、癖など)について、本人が反論したら一発です。『神はこのように私を創った』と毅然と主張する人に対し、否定できる人間などいやしません」(279頁)。「役に立つ」は人間に対して使うべき言葉ではない(254頁)とか、人生の価値を「勝ち組・負け組」といった低劣な表現で表すのは醜悪2021/10/09
Hiroki Nishizumi
4
興味深く読めた。キリスト教的価値観が蔓延しているためかイスラムには否定的な話がよく聞かれる。その一方で完成された宗教という話も聞いたことがある。礼拝も断食も巡礼もそれぞれ意味があることで、どの角度でみるかによって評価は変わるのかもしれない。豚を食すことが許されていれば中国をはじめ世界がさらにイスラム教に席巻されたかもしれない。2022/01/05
Terry K
3
一番共感したのは、「魂とは神からの"預かりもの"、だからその魂に責任を持ち、大切に扱わなければならない」というくだり。ムスリムの人達の(そして恐らく多くの宗教の共通する)意識なんだろうと推察する。ちなみに「神」を「天」に変えたら伊達政宗が殆ど同じこと言ってたな。それが根っこにあると、ものの見え方が違ってくるんじゃないかな。タイトルがある意味過激なので読み手を選んでしまっている感じがして残念だが、虚心坦懐に読めば学びが持てる本だと思う。2021/07/11
Go Extreme
2
ムスリムにならう幸福の見つけ方 イスラームの教えとは 現実を数値で捉えよう アラブに自殺はない アラブにイジメはない アラブに勝ち組負け組はない―あるのはたったひとつの勝ちだけ アラブにセクハラはあるか? アラブに過労死はない アラブに引きこもりはない アラブに孤独死はない すべてに代償はある2021/07/08