感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
75
「クマのプーさん」挿絵画家E・H・シェパードが7~8歳の頃に過ごした、ヴィクトリア朝の英国ロンドン。120点以上収録されたスケッチの素朴な温かさの愉しみだけではなく、シェパードの惹き込む文章力にも驚かされる。幼き日の完全に幸福だった時間を回想する「序文」は、遠き日の光輝く思い出が豊かに広がり、アリス序文に込めたキャロルと似た儚い甘やかさが切なくも美しい。姉エセル、兄シリル、親類やメイドさんたちとの関係も優しさに溢れていて、愛おしさが伝播してくる。(⇒)2021/02/03
oldman獺祭魚翁
53
「クマのプーさん」の挿絵で知られたE・H・シェパードによる子ども時代を振り返った日記風のエッセイ。78歳の時に書かれたそうだが、とても70年前を思い出して書いたとは思えない、鮮明な描写が素晴らしい。児童小説の黄金時代を築いた人々は、どんな子ども時代をおくったのかがよくわかる一冊。作者自身の手による120枚を越えるイラストが、当時の風俗を鮮明に描いている。プーさんのファンだけでなく、多くの人に手にとって欲しい本だ。2021/01/31
くさてる
24
副題通りに、1870年代から90年代のヴィクトリア朝の倫敦を舞台に描かれる、裕福な少年時代の甘い思い出が詰まった一冊。子供の視点そのままに、まるで児童文学のような無邪気さと楽しさ、生活の様子がとても良かった。添えられているペン画のイラストも素晴らしいです。2021/03/20
ロア
21
イギリスならヴィクトリア朝後期、日本なら江戸時代後期が最も良い時代だったのではないかなぁ(*´Д`)豊富な線描画を眺めているだけでも幸せな気持ちに。2021/05/14
かもめ通信
18
プーさんの挿絵画家として知られるE.H.シェパードが、自らの幼年時代をたっぷりのイラスト共に描いた自伝エッセイ。ページをめくるだけで思わず頬がゆるみ幸せな気分になれる1冊。2023/01/20