内容説明
異なる信仰を持つ人々が、ともに合意できる宗教理解とはなにか?「宗教」概念の形成過程を辿り、非西欧の現象をも精査し、近代的宗教理解の欠陥を指摘。「累積的伝統」と「信仰」を提唱して、人間の生の理解としての宗教学を志す。イスラーム学者で比較宗教学者のスミスが、諸宗教の共存の未来へ新たなパラダイムを提起する、宗教概念批判のさきがけ、現代の古典。
目次
第1章 序論
第2章 西洋における「宗教」
第3章 他の諸文化。「諸宗教」
第4章 イスラームという特殊な事例
第5章 この概念は適切か?
第6章 累積的伝統
第7章 信仰
第8章 結論
著者等紹介
スミス,ウィルフレッド・キャントウェル[スミス,ウィルフレッドキャントウェル] [Smith,Wilfred Cantwell]
1916‐2000。1916年カナダ・トロント生まれ。17歳の時にエジプトに滞在。トロント大学で中近東の言語・歴史を、ケンブリッジ大学でキリスト教神学とイスラーム学を修める。第二次世界大戦後、英領インド・ラホールのフォーマン・キリスト教大学でインド史・イスラーム史を講じ、カナダのマギル大学のイスラーム研究所初代所長、ハーヴァード大学の世界宗教研究所所長などを歴任。プロテスタントでありながらイスラーム学者として活躍するとともに、比較宗教学者として信仰を異にする者どうしの交流を研究の場に導入し、従来のキリスト教神学を超える「世界神学」を目指した
保呂篤彦[ホロアツヒコ]
1960年大阪府生まれ。1991年筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科修了。筑波大学教授
山田庄太郎[ヤマダショウタロウ]
1982年茨城県生まれ。2014年筑波大学大学院一貫制博士課程人文社会科学研究科修了。聖心女子大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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