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内容説明
中世の町並みが息づく諸都市と、近代的な高層ビルが林立する大都市、大聖堂や教会が点在する聖なる空間と、市庁舎や市場、オフィスの並ぶ俗世の空間、旧市街と新市街―場所が変わるたび、その姿を万華鏡のごとく変えていく一篇の詩、スペイン。“遊歩者”の視点から「歩行する身体」を介して「テクストとしての都市」を読み解いていく、スペインを巡る心の旅。
目次
開かれた都市論に向かって
スペイン都市の基本構造
首都マドリード
マドリード周辺の小都市
城塞都市―トレド
芸術都市―バルセロナ
城壁都市―アビラ
大学都市―サラマンカ
要塞都市―ブルゴス
旧王国都市―レオン
古都―バリャドリード
ロマネスク都市―ソリア
ローマ都市―セゴビア
回教都市―コルドバ
驚異都市―セビーリャ
栄華都市―グラナダ
天空都市―ロンダ
海洋都市―カディス
巡礼都市―サンティアゴ・デ・コンポステーラ
地中海都市―バレンシア
祝祭都市―パンプローナ
多声楽的万華鏡の世界
著者等紹介
小阪知弘[コサカトモヒロ]
スペイン政府給費生として、スペイン国立サラマンカ大学大学院博士課程に入学。スペイン国立サラマンカ大学大学院博士課程修了。スペイン国立サラマンカ大学文学博士(Doctor en filolog´ia hisp´anica por la Universidad de Salamanca)。現在、南山大学准教授。専攻、現代スペイン演劇、スペイン映画、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
85
都市には文学上現れるテクストとしての都市がある。都市に生きる人を読者とし、テクストとしての都市を解読するのである。それは歩行する身体を媒介として詩人の眼差しで都市を描写することに繋がる。スペインの街並みは、石畳の建造物の響きから音響都市でもある。本質的にスペインは多様性の国であり、湿潤と乾燥、キリスト教とイスラム教、地中海と内陸などの二面性が重層化されて形作られている。ここに載る21の都市のうち3都市しか訪れていないが、天空都市ロンダと回教都市コルドバ、城塞都市トレドなど是非一度は訪れてみたい都市ばかり。2025/07/21