内容説明
かすかに、ゆるやかに対象に迫っていくデッドスローとも呼ばれる移動撮影。一転して激しいブレもリフレクション(反射)も厭わず全力疾走で被写体を追跡する極限の長回し。そして、都会の闇を体現するような鮮烈な「青」の画調―それが仙元誠三撮影の映画だ。一九六九年『新宿泥棒日記』でデビュー後、七〇年代『最も危険な遊戯』に始まる東映セントラルアクションとテレビドラマ『大都会』シリーズで大暴れし、八〇年代『セーラー服と機関銃』『Wの悲劇』などの角川映画の名作を数多く手がけ、二〇〇〇年代『さらば あぶない刑事』で有終の美を飾った。松田優作、薬師丸ひろ子、仲村トオルといった個性の強いスターたちに慕われ、大島渚、村川透、工藤栄一、澤井信一郎、きうちかずひろといった名監督たちに重用され、稀代の風雲児・角川春樹と渡り合う…キャメラを抱いて日本映画史を駆け抜けた“野獣のようなキャメラマン”仙元誠三が熱い時代の多彩なエピソードを縦横無尽に語る回想録!
目次
若き日と松竹助手時代
大島渚、寺山修司、ドキュメンタリーの仕事
炸裂するアクション―石原プロでの仕事
村川透・松田優作・仙元誠三―黄金トリオの時代
角川映画のヒロインたちとともに
風雲児・角川春樹との仕事
巨匠・名匠たちとの仕事
映画監督松田優作との仕事―『ア・ホーマンス』そして突然の別れ
異業種監督たちとの仕事
九〇年代、Vシネマの時代
二〇〇〇年代の仕事と『ああぶない刑事』
さらば 仙元誠三
著者等紹介
仙元誠三[センゲンセイゾウ]
1938年京都市生まれ。58年松竹京都撮影所に入社、撮影助手として宮島義勇・成島東一郎に師事する。退社後の69年、『新宿泥棒日記』(大島渚監督)でデビュー。『キャロル』(龍村仁監督、74年)『キタキツネ物語』(蔵原惟繕監督、78年)などのドキュメンタリーから、石原プロ制作のテレビ映画『大都会』シリーズまでジャンルを超えて活躍、中でも村川透監督・松田優作主演『最も危険な遊戯』(78年)に始まる“遊戯”シリーズでは、独特の長回し撮影やブルーの強い色調の画面を確立する。80年代には『セーラー服と機関銃』(相米慎二監督、81年)『Wの悲劇』(澤井信一郎監督、84年)などの角川映画の名作を数多く手がける。『あぶない刑事』映画版シリーズ撮影でも知られ『さらば あぶない刑事』(村上透監督、2016年)は撮影担当最終作となった。2014年文化庁映画賞の映画功労部門を受賞。2020年急逝、享年81
山本俊輔[ヤマモトシュンスケ]
1975年東京都生まれ。映画監督・作家。『カクトウ便/そして、世界の終わり』(2007年)で劇場公開映画デビュー
佐藤洋笑[サトウヒロエ]
1974年神奈川県生まれ。ライター・編集者。音楽雑誌「ロック画報」編集部を経て、フリーランス活動を開始、映画ZINE「映画時代」創刊に参加。「映画秘宝」「ミュージックマガジン」「東映キネマ旬報」などで執筆する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まぶぜたろう
まさやん80
Mitsuhito Shiraha