内容説明
誰にも避けられない「老い」。本書では『源氏物語』の登場人物の老後を丹念に取り上げ、人生の終焉までを見届けております。『源氏物語』の本筋である、若く華やかな恋愛の日々にも触れ、通読していない方には『源氏物語』を読み終えた満足感を、読み終えた方には、原文の良さを再確認できる読み応えのある一冊!
目次
光源氏は愛妻紫の上を看取った後、一人で「老い」の始末をする
桐壺帝に見る安泰な終活の秘策
弘徽殿女御は夫(帝)の逝去後、権勢を掌握するも不平不満の終活?
藤壺は光源氏のマドンナ、驚く中年期の変貌
空蝉の一言が、光源氏の一生の良薬となる
六条御息所は『老い』の果報を得る前に、妄執を抱いたまま旅立つ
末摘花はピュアな心を失わず、光源氏の老人ホーム?で平穏な老後
玉鬘は平安のシンデレラ、順調なはずが予想外の中年のおばさん振り
朧月夜がみせる恋と人生の鮮やかな結末、あっぱれな終活
紫の上は愛する光源氏と「共白髪」の老後を過ごせなかった無念さが哀れ
花散里は平安のキャリアウーマン、見事に自立した終活
明石の君は所詮愛人、という重石がとれて色香も捨てて気楽な老後
女三の宮の降嫁は光源氏初老の四十歳の時、若返った源氏の行く末
頭の中将と光源氏の「男の友情」は終活を豊かなものにする
大宮は元皇女、息子と婿に振り回されつつも、品位ある良きおばあさん像
老後の無い、若年死の三人(夕顔、葵の上、柏木)への、作者紫式部の優しさ
著者等紹介
石村きみ子[イシムラキミコ]
三重県伊勢市生まれ。國學院大學文学部卒業。文化出版局、講談社編集部にて女性誌、書籍の編集を担当。フリー編集者として『ビジュアル源氏物語』(デアゴスティーニ・ジャパン)の企画、コラムを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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