出版社内容情報
明治期に海外から流入した広告ポスターは、我が国において即座に受容され、独自の発展を遂げた。戦前期の美人画ポスターにみられるように、印刷技術の発展と共に芸術品並みの作品が制作されるようになり、さらに経済活動の発達と共に代表的な広告メディアとして発達し、さらには戦争期の国威発揚ための大きな宣伝手段へと至った。
ポスターは広告物として消費されてゆくため、その価値はこれまで長く顧みられることなく一部の好事家の興味を引くだけであったが、近年その芸術的価値、また社会史的研究の対象としての意味が大きくクローズアップされている。
我が国屈指のポスターコレクションを誇る函館市中央図書館の蔵品を主に、そのような日本のポスター文化を類書にない規模で懇切な解説を加え紹介し、ヴィジュアルな基礎資料を提供する画期的大図鑑。
内容説明
日本のポスター文化を膨大な図版と詳細な解説で紹介する画期的大図鑑!知る人ぞ知る函館市中央図書館所蔵品を中心に重要作から異色作までを網羅した、日本ポスター史の決定版誕生!
目次
1 黎明期の日本製ポスター―煙草産業
2 ポスター界を牽引する4業種―飲料・海運・百貨店・出版
3 百花繚乱の美人画ポスター
4 史料としてのポスター
5 モダン・デザインの潮流と受容
6 プロパガンダの時代
著者等紹介
田島奈都子[タジマナツコ]
東京都出身、ポスター研究者。筑波大学大学院博士課程芸術学研究科デザイン学領域満期退学。専門は1890~45年頃までの日本製ポスターと、ポスターを中心とするデザイン史および文化史。近年は戦前・戦中の中国、台湾、朝鮮において製作・使用されたポスターの閲覧調査を実施し、同時代の日本製ポスターとの相違や、影響関係に関する研究も行っている。現在、青梅市立美術館に学芸員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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