出版社内容情報
宇野亜喜良氏、推薦! 50点にのぼるコラージュと、夢のような物語が織りなす不思議な世界。イマジネーション羽ばたく書物の王国。●宇野亜喜良氏、推薦!!
「奇妙に壮大でそして繊細な言葉とイメージが同等に美しく沈殿した状態の絵本は
他には絶対存在しない。」
50点にのぼる美しいコラージュと、夢のような物語が織りなす不思議な世界。
絵と文章が絶妙にコラボレーションした、イマジネーション羽ばたく書物の王国。
柿沼裕朋[カキヌマヒロトモ]
著・文・その他
目次
序―本
鳥になった鳥たち
ハサミうさぎとボタン人形
ことばのかけら
世界の終わり 終わりなき言葉の始まり(夢の配達;あやとり;白文字;ことばの譜)
ゆきのゆき
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
46
“繰り返されることなく繰り返される波の間(あわい)に漂う泡沫(ことば)のような儚いもの” 水銀(みずかね)のゆらぐ言(こと)、新聞で見た表紙に惹かれて手に取った。文章は数回読めども手強く、対になるコラージュが、これまたひんやりぞわりの連続。懐かしの『ミッケ』で誰にも見付けてもらえず打ち捨てられたままのピースを思い出す。「ことばのかけら」のひらがなの国と漢字の国の言葉遊びの世界が面白かったが、和のコラージュに漂う不気味さに足早に頁を去りたくなった。2018/08/27
内島菫
16
ヤン・シュヴァンクマイエルを連想するコラージュと文章でなる、美的に洗練された一冊(作者はコラージュと文章どちらも手がけている)。「序― 本」の「百年に一度、頁が一枚捲れる」という本から始まり、以下の短篇においても魅惑的な言葉のギミックに満ちている。それらの間を(あるいはそれらに導かれるままに)行動する人や動物や文字は、とてもシンプルで世界の果てや始まりまでまっすぐに至る。「鳥になった鳥たち」で、卵が記憶を込めた思い出の形となるのが興味深い(が、別の本でも卵が記憶の形だったような気がするが思い出せない)。2020/07/05
くさてる
14
不穏なほど美しい文章と、コラージュ独特のぎこちない造形が組み合わさった世界。詩に限りなく近いけれど、詩ではない物語がそこにはあって、それをわたしは面白いと思った。ひらがなの国の住人の「かけら」の冒険をユーモラスに描いた「ことばのかけら」が、可愛らしくて好きです。2019/04/13
rinakko
4
“かつて鳥の卵であったことを忘却した卵は星々を羨望した。” “うるわしきものを求める言葉によって創られた世界、もう一つの世界へは舟でゆく。舳先にとまる鳥のさえずりに乗って舟はすすむ。けれども鳥がさえずりを忘れ、その音色も何処かへさらわれたいま、ゆき先も推進力も失い目覚めぬ眠りのふかみへと沈む舟が、いくつも横たわっていた。” “ときとときのつなぎ目にある水のように純粋なもの、真にうるわしきものは忌み嫌われさえする。眼に映らないものが物事と物事の間にはあり、そうした純然たるものによって2018/11/24
aoto
2
詩のある美文で描かれるファンタジー集。ファンタジーの趣がメタさと、シュールさを持ってるところが特にツボ。哲学めいた言葉選びのセンスが本当に大好き。挿絵はマグリットとかダリっぽい抽象画、わかんねえけど。それがとても似合ってる。2019/10/15
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