音楽と沈黙〈2〉

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336061799
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

美貌のリュート奏者ピーターと侍女エミリアの運命の恋の行方は……頁をめくる手がとまらない驚異のベストセラー小説、ついに翻訳!映画化決定!
美貌のリュート奏者ピーターと侍女エミリアの運命の恋――
ページをめくる手がとまらない驚異のベストセラー小説、ついに翻訳!

不貞が発覚しコペンハーゲンから追放となった王の妻キアステンは侍女のエミリアとともに母エレンの城に移り住み、無謀ともいうべき策略を思いめぐらす。「勇気を出すのよ」という亡き母の言葉を胸に抱きながら、弟マークスとの日々を懸命に生きるエミリア。彼女の継母マウダリーナはティルスン家の男たちを支配し、一家を破滅に導いていた。一方、ピーターはかつての恋人オフィンガル伯爵夫人と再会し、夫人に誘惑されながらもエミリアへの思いを募らせる。そして失意のクレスチャン王のもとに現れる新しい存在とは? 運命に翻弄される人々の心に果たして静寂の春は訪れるのか――濃密な物語性と精緻な語りで、最後の最後まで驚きの展開がつづく歴史ロマン大作! 

批評家・各紙絶賛!……〈トレメインは同時代最高の歴史小説家である。匂いたつ官能性と洗練されたウィットで過ぎし時代を鮮やかに再現する……巧みに練られたプロット……エロスと芸術が織りなす忘れがたいタペストリー(A・N・ウィルソン)〉〈『音楽と沈黙』の核となる部分は、罪と欲望の描写である。生き生きした登場人物たちは、自分自身の行為と夢を相手に格闘する……作者は時代の精神に分け入ることによって、歴史に寄り添いつつ深く洞察するという、見事な離れ業をやってのけた……これは最高水準の作品である(スコットランド・オン・サンデー紙)〉〈詩情豊かで、色香漂う、絵画的なすばらしい作品……読者は、過ぎし日の宮廷の豪奢な松明の光で照らしだされた華麗な光景とドラマを満喫できる(サンデー・タイムズ紙)〉〈トレメインは多彩な語り口を自由自在にあやつりながら、時を行きつ戻りつし、ディテール、香り、音、色を自分のキャンバスに見事詰め込んだ……巧みで魅力的で優雅な筆致(オブザーバー紙)〉〈濃密で秀逸な作品(ガーディアン紙)〉〈堂々たる小説……何度も読み返す価値のある見事な作品(タイムズ紙)〉

ローズ・トレメイン[ローズトレメイン ]
ロンドン生まれ。歴史小説を得意とする小説家。現在イースト・アングリア大学総長。代表作に『道化と王』(1989/邦訳柏書房刊)Sacred Country(1992/ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞、フェミナ賞外国人作家部門受賞)などがある。

渡辺佐智江[ワタナベサチエ]
訳書にキャシー・アッカー『血みどろ臓物ハイスクール』、ウィル・セルフ『コック&ブル』、リチャード・フラナガン『グールド魚類画帖』(以上白水社)、アーヴィン・ウエルシュ『フィルス』(アーティストハウス)、ジム・クレイス『四十日』(インスクリプト)などがある。

内容説明

不貞が発覚しコペンハーゲンから追放となった王の妻キアステンは侍女のエミリアとともに母エレンの城に移り住み、無謀ともいうべき策略を思いめぐらす。「勇気を出すのよ」という亡き母の言葉を胸に抱きながら、弟マークスとの日々を懸命に生きるエミリア。彼女の継母マウダリーナはティルスン家の男たちを支配し、一家を破滅に導いていた。一方、ピーターはかつての恋人オフィンガル伯爵夫人と再会し、夫人に誘惑されながらもエミリアへの思いを募らせる。そして失意のクレスチャン王のもとに現れる新しい存在とは?運命に翻弄される人々の人に果たして静寂の春は訪れるのか―濃密な物語性と精緻な語りで、最後の最後まで驚きの展開がつづく歴史ロマン大作!

著者等紹介

トレメイン,ローズ[トレメイン,ローズ] [Tremain,Rose]
1943年ロンドン生まれ。イースト・アングリア大学卒業後、教員職などを経て76年Sadler’s Birthdayで長篇デビュー。83年にはグランタ誌の“20人の才能ある若きイギリス小説家”リストに選出、現在まで長篇を14作、短篇集を5冊発表している。『道化と王』(89/邦訳柏書房)は映画化・舞台化された。Sacred Country(92)でフェミナ賞外国小説賞、『音楽と沈黙』(99)でウィットブレッド賞、Road Home(2008)でオレンジ賞を受賞

渡辺佐智江[ワタナベサチエ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

139
イギリスの作家がデンマークの王を描くから、悲劇的な結末が常に頭に浮かんだ。史実を含んだおとぎ話の一つとして、こんな話もいいなと思う。私は、音楽に、特にクラシックに浸ることはないから、登場人物たちの周りに流れる音楽は無視して読んだ。だからだろうか、王が大切に扱ったのが、リュート奏者でも画家でも変わらなかったように思うので、このタイトルはあまりピンとこない。男性にとりいるのには、その男性の必要に応じて女性には提供するものがあるとおそらく意識して書かれているように思う。男たちよ、強くあれ。2017/09/28

まふ

119
下巻に入り、期待をはるかに超えた内容で、物語性、文章の的確性(①全編現在形で記述②文章が簡潔)などにすぐれた作品だった。キアステンの悪女ぶりは最後まで変わらず、マウダリーナ、ゾフィー王妃、エレンなどもそれなりに悪女ぶりを大いに発揮して「ほんとうにどうしようもない感」が横溢して楽しめた。文章がしっかりしていること、物語が簡潔に進むこと、全体の構成の確実性など、この作家の実力も印象に残った。近来にない収穫だと思う。オススメです。G656/1000。2024/11/27

NAO

57
恋人たち、何組かの夫婦、愛人同士という、いくつかの愛の形。主人公はピーター・クレアとエミリアだが、他の男女が強烈すぎてすっかり霞んでしまっている感じだ。もう一つのテーマ「音楽を奏でるもしくは愛するか、音楽のない沈黙に沈むか」では、音楽を愛する王と全く音楽を理解しないキアステン、天使のような演奏をするピーター・クレアと頭に浮かんだ美しい旋律を再現できずに破滅したジョニー・オフィンガルという対比が見られるが、「沈黙」とは、絶対的存在である王に対して言いたいことも言えない人々の沈黙も表しているのかもしれない。2017/11/24

星落秋風五丈原

21
【ガーディアン必読1000冊】前巻で奏でられていた楽器が放り出されている。何やら波乱を感じさせる表紙絵だ。前巻ではMusicのMが登場したが、本巻の表紙に登場するのはSilenceのS。だが登場人物達は沈黙を守らない。筆頭がキアステン。主役カップルそっちのけで自分の欲望のためにしか生きない最強の女で彼女のいる所沈黙は存在しない。にもかかわらず彼女は音楽が大嫌い。単なる無関心どころか「大嫌い」と公言。沈黙を好むわけではないが、その対極にある音楽が嫌い。いや、音楽というよりも、音楽を好む王が嫌いなのだ。2017/07/05

松本直哉

19
行く先々にお付きの楽隊を引き連れることに象徴的に現れるように、世界を劇場とし生活を祝祭とするバロック的絶対君主の典型とも言える王は、にもかかわらず親友との別離や戦争での敗北や妃の不倫などに苦悩し憂悶し、美貌のリュート奏者ピーターの演奏だけがわずかに慰めである。不倫のため追放の憂き目に会う妃キアステンが、隷属を嫌って自分の欲望に忠実に生きるのと対照的。侍女エミリアやピーターの元恋人など、虐待や隷従などの不遇にもかかわらず自らの意志を貫く人々も印象に残る。行間からダウランドの憂いに満ちた歌が聴こえてくるようだ2024/12/19

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