音楽と沈黙〈1〉

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336061782
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

伝説の王クレスチャン4世の苦悩、そして官能に溺れる王妃キアステンが夢見る人生。17世紀デンマークを舞台にした歴史ロマン大作。ウィットブレッド賞受賞!
伝説の王クレスチャン4世の苦悩、
そして官能に溺れる王妃キアステンが夢見る人生――
17世紀デンマークを舞台にした波瀾万丈の歴史ロマン大作、ついに登場!


「ランプに明かりが灯る」――1629年、美貌のイギリス人リュート奏者ピーター・クレアがデンマーク王クレスチャン4世の宮廷楽団に招かれ、コペンハーゲンのローセンボー城に到着する。王はリュート奏者に親友ブロアの面影を重ねて寵愛する。一方、王の妻キアステンは王への不満をつのらせ愛人との官能の日々を送っている。やがてピーターはキアステンの侍女エミリアと恋に落ちる。しかし二人には数多の試練が待っていた……デンマーク、イングランド、アイルランドと各地をまたがる複数の物語が、絡み合う旋律となって壮大な音楽が奏でられる。極上の歴史小説にして恋愛小説、優美な音楽小説にして青春小説でもある英国ベストセラー、ついに翻訳刊行!

〈17世紀のデンマーク。当時の国王クレスチャン4世は、謁見室の真下にある暗いワイン貯蔵室に宮廷楽団を待機させていた。来客たちは、見えない楽団によって奏でられる音楽が湧き上がってくるのにびっくり仰天したという。これは史実である。コペンハーゲンに行き王宮を見学した英国小説家ローズ・トレメインは、その史実を知って小説家としての興味をかきたてられ、想像をたくましくした。そこの地下室にいた演奏家はどんな思いだったのだろうと。そこから生まれたのが、ベストセラーにもなった、波瀾万丈の物語『音楽と沈黙』である。登場人物たちはみな歴史小説の枠から少しはみ出して、わたしたちにも共通する現代的な悩みを抱えた人間ばかりであり、そのぶつかり合いが、異なる楽器による演奏のような、語る声と声の交唱にもなって、物語をフィナーレへと運んでいく。それはまるで宝塚歌劇を観ているようだ、と言えば褒めすぎになるだろうか〉 若島正(英文学者・翻訳家)

ローズ・トレメイン[ローズトレメイン ]
ローズ・トレメイン(1943? ) ロンドン生まれ。歴史小説を得意とする小説家。現在イースト・アングリア大学総長。代表作に『道化と王』(1989/邦訳柏書房刊)Sacred Country(1992/ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞、フェミナ賞外国人作家部門受賞)などがある。

渡辺佐智江[ ワタナベサチエ ]
訳書にキャシー・アッカー『血みどろ臓物ハイスクール』、ウィル・セルフ『コック&ブル』、リチャード・フラナガン『グールド魚類画帖』(以上白水社)、アーヴィン・ウエルシュ『フィルス』(アーティストハウス)、ジム・クレイス『四十日』(インスクリプト)などがある。

内容説明

「ランプに明かりが灯る」―1629年、美貌のイギリス人リュート奏者ピーター・クレアがデンマーク王クレスチャン4世の宮廷楽団に招かれ、コペンハーゲンのローセンボー城に到着する。王はリュート奏者に親友ブロアの面影を重ねて寵愛する。一方、王の妻キアステンは王への不満をつのらせ愛人との官能の日々を送っている。やがてピーターはキアステンの侍女エミリアと恋に落ちる。しかし二人には数多の試練が待っていた…デンマーク、イングランド、アイルランドと各地をまたがる複数の物語が、絡み合う旋律となって壮大な音楽が奏でられる。極上の歴史小説にして恋愛小説、優美な音楽小説にてして青春小説でもある英国ベストセラー、ついに翻訳刊行!

著者等紹介

トレメイン,ローズ[トレメイン,ローズ] [Tremain,Rose]
1943年ロンドン生まれ。イースト・アングリア大学卒業後、教員職などを経て76年Sadler’s Birthdayで長篇デビュー。83年にはグランタ誌の“20人の才能ある若きイギリス小説家”リストに選出、現在まで長篇を14作、短篇集を5冊発表している。『道化と王』(89/邦訳柏書房)は映画化・舞台化された。Sacred Country(92)でフェミナ賞外国小説賞、『音楽と沈黙』(99)でウィットブレッド賞、Road Home(2008)でオレンジ賞を受賞

渡辺佐智江[ワタナベサチエ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

139
17世紀。デンマークの国王クレスチァン四世と彼の近くにいる人達の物語。訳の語調に最初は躓き、よく知らない時代と場所の設定に戸惑うも、上巻の感想を書く暇も惜しんで現在は下巻の3分の2まできてしまった。彼らの日々から目が離せない。わかりやすいのは、欲、特に肉欲に囚われた女達の贅肉が、彼女たちの欲望の昂まりともに渦をなしていくような描写。王の孤独と理解されぬ純情と国務への責任感。作者に手玉に取られ、悪役に反感を駆り立てられる。キアステンへの評価だけは戸惑うが…。そして純情な乙女の行く先はどうなるのだろう。2017/09/28

まふ

109
16世紀末~17世紀初頭デンマーク王室での恋と陰謀の絡む歴史巨編。クレスチャン4世王の妻キアステンは庶民出身で王妃にはなれないが好色で、浮気相手であるドイツ人のオットー伯の子供を宿し王に追放される。英国出身のリュート奏者ピーターは王に信頼される。そのピーターの恋人フランチェスカ、キアステンの侍女エミリア、その弟マークスなどが現れて、波乱含みの前半が終了した。舞台が「ハムレット」と同じデンマークというのが興味を引く。北国の荒涼とした風景が想い起されて期待感が高まる、というところで第2巻へ。G1000作品。2024/11/26

NAO

68
音楽を愛しているけれど、宮廷楽団員の扱いは虐待に近いデンマーク王。自分を溺愛している王を嫌い抜き、愛人と不倫しているキアステン。天使のように美しいリュート奏者。出てくる登場人物誰も彼もがとにかく個性的過ぎて、話はいったいどこへむかうのやら。期待をこめて下巻へ。2017/11/21

星落秋風五丈原

23
【ガーディアン必読1000冊】タイトルも妙だ。音楽と沈黙。音を出すものと、音のない状態、真逆である。しかし両者は城の中で共存する。音楽を好む王も矛盾しており、音楽は聞きたいが、演奏家達の姿は見たくない。よって演奏家達は城の地下に造られた一室で演奏する。本来なら音も演奏家達の姿も愉しめばよいはず、しかし王は自分の見たいもの、聞きたいものしか望まない。王族としての特権がそれを許す。しかし唯一の例外がリュート奏者ピーター・クレアだった。彼だけは姿を見たいと望む。ピーターがかつての親友ブロアにそっくりだからだ。2017/07/03

ヘラジカ

20
重厚なる大河ドラマ・群像劇・ラヴロマンス。デンマーク王とその妻キアステン、それぞれに寵愛される音楽家と侍女。個々の物語や感情が綿密に語られるため、読み始めてから入り込むまでにかなりの忍耐を要するが、一度没入するとストーリーテリングに抱擁されるかのような濃厚な味わいを受けられる。この上巻を読み終えた段階では物語の進行はまだまだ。やっとロマンスが始まったのだから、面白くなるのはこれからだろうといった感じである。(2017・40)2017/05/30

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