蝶を飼う男―シャルル・バルバラ幻想作品集

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蝶を飼う男―シャルル・バルバラ幻想作品集

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  • サイズ 46判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336061034
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

親友ボードレールにエドガー・ポーと音楽の世界を教えた影の男、シャルル・バルバラ。“知られざる鬼才”による、哲学的思考と音楽的文体、科学的着想、幻想的題材が重奏をなす全5篇の物語。

著者等紹介

バルバラ,シャルル[バルバラ,シャルル] [Barbara,Charles]
1817‐1866。フランスのオルレアンで、弦楽器製造業の家に生まれる。12歳でパリの名門校ルイ・ル・グラン中学校に転校、ここで学業を終える。1836年にパリ国立音楽院に入学。自然科学にも強い興味を持ち理工科学校に入る準備をしていたが、転じて文学の世界に入る。20代半ばで“ボエーム”の仲間入りをし、詩人ボードレール、写真家ナダール、作家シャンフルリらと交流する。その後、短篇小説を書き始め、ポーに傾倒。1848年の二月革命頃に、オルレアンで新聞の創刊や文芸欄の編集に携わり、ポーの翻訳や、友人たちの作品を紹介した。1850年にパリに戻ると精力的に創作に打ち込み、多くの短篇を発表した。1855年には初の中篇『赤い橋の殺人』をベルギーで出版。翌年『感動的な物語集』を刊行。1858年には本国フランスで『赤い橋の殺人』が出版され人気を博して版を重ねた。1866年死去

亀谷乃里[カメヤノリ]
慶應義塾大学および大学院でフランス文学を学ぶ。ニース大学で博士号取得。慶應義塾大学講師を経て、女子栄養大学教授、女子栄養大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

79
フランス版『罪と罰』な『赤い橋の殺人』の作者による人の狂気の間に横たわる閃光を突きつける様な短編集。特に「ある名演奏家の生涯の素描」は白眉としか言えない。絶え間ない努力によって超絶技巧を得るもパガニーニに比肩出来なかったヴァイオリニスト、フェレ。芸術と父の期待に全てを捧げた結果、身の丈に合わず、挫折し、ままならぬ人生を送った彼。しかし、パガニーニの天才性を真に理解した彼へ最後に訪れた恩寵はまさに人生に残された滋味だったのだろう。2019/12/05

mii22.

59
予備知識無しで表紙の美しさ、作者名(シャルル・バルバラ)の美しさ、タイトル(蝶を飼う男)に惹かれて読んでみた。何らかの天才的な素質を持ちながらも他人には理解されない奇人としての人生や数奇な運命に流されていく人生に孤独と哀切と愛しさを感じる五篇。特に「ある名演奏家の生涯の素描」で描かれる苦役と犠牲と束の間の栄光と献身と慈愛が良かった。そしてそれまでの四篇とは色合いの違った最後の短い一篇四人の耳の聞こえない人たちのやり取りをコント風に描いた「聾者たち」に人間の本質を見せられた。2019/10/14

ケロリーヌ@ベルばら同盟

51
【第159回海外作品読書会】作者に関する知識は無いまま、美しい名前の響き、タイトル、装幀に魅かれて手にした本書。表題作を含む5篇の短編に、百頁近い註釈・解説が付される構成に、如何にこの日本に於いて知名度が低い作家の本を読ませるか、翻訳者、出版社の努力と戦略が窺える。19世紀半ば、パリの新聞紙上を中心に発表された作品群は、芸術的な修辞に彩られた非業の音楽家の生涯、奇想科学、犯罪心理、そして幕間狂言めいたユーモアを感じさせる物。当に暗黒に佇立するバベルの塔の小部屋に陳列するに相応しく、難解でありながら魅力的。2020/06/28

erierif

18
『ある名演奏家の生涯の素描』才能と環境に恵まれ成功しつつももっと優れた歴史に名を残す者との挫折、生活、落ちぶれて貧しいなか残されたもの。芸術に身を捧げつつましく生き成功をつかみそこねた男の大切なもの。夢を追う男の話。作者の人生もあいまってなんとも切ない短篇。『ロマンゾフ』がとても面白かった。慈悲深い趣味のよい神秘的な紳士の話。2019/11/29

evifrei

17
偏執狂的で天才的な奇人たちを主人公とする短編集。表題作の『蝶を飼う男』の、儚い命である昆虫や小さな生き物に静かな情熱を寄せる孤独な好事家像は、閉鎖的な雰囲気ながらも眩惑的な魅力を放つ。また、自働人形と自働機械に囲まれて生きる発明家を描く『ウィティントン少佐』はホフマン風の幻想文学作品だ。どの作品も良いが個人的には上で挙げた2作品が特に気に入った。『ボードレールにエドガー・アラン・ポーと音楽の世界を教えた影の男』という作者のキャッチに心惹かれて読んだが、想像以上に良い作家だった。解説も面白い。2020/02/20

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