出版社内容情報
日本語とアラビア語の死・恋愛・時間・顔にまつわる慣用表現とそれによる心象風景を比較分析し、比喩性と意味理解の性質を解明。
言語の意味とは、人間の経験に動機づけられた、言語使用者による外界認識の産物である。このような観点から慣用表現の意味を分析することによって、日本語あるいはアラビア語に属する言語共同体の成員がどのように外界を把握しているのかを示すことができる。
本書では慣用表現の意味的・統合的性質を分析し、日アの慣用表現に見られる比喩性と意味理解の性質を明らかにする。そのために、抽象的語彙である「死」「恋愛」「時間」にまつわる日アの慣用的表現を、対照言語学・認知言語学に基づいて分析し、次の2点を主に考察する。
1.日アそれぞれの、「死」「恋愛」「時間」という抽象表現にまつわる慣用表現の概念的背景とその意味理解。
2.概念的意味に基づき、「人と人との関わり」「個人のペルソナ性格」「生活・活動」という3つの〈人間的項〉にまつわるアラビア語慣用的表現を分類する。
まえがき
第1章 はじめに
第2章 日本語とアラビア語の慣用的表現の構成と特徴
第3章 アラビア語慣用的表現の分類
――意味による分類とその応用の試み
第4章 慣用的メタファー表現に見る意味拡張と認知的基盤
――概念メタファー理論の概要
第5章 日本語とアラビア語の抽象的概念における慣用的表現の個別事例分析
――「死」にまつわる慣用的メタファー表現
第6章 日本語とアラビア語の「恋愛」にまつわる慣用的メタファー表現
第7章 日本語とアラビア語の〈時間〉にまつわる慣用的表現
第8章 日本語とアラビア語の慣用的表現における個別事例の分析のまとめ
第9章 日本語とアラビア語の身体語の意味の慣用化
――「顔」と「wajh」にまつわる慣用表現を中心に
第10章 結び
註
参考文献
アラビア語要旨
【著者紹介】
エジプト・カイロ生まれ。2001年学習院大学文学部日本語日本文学科卒業。同大学大学院人文科学研究科で、日本語とアラビア語の対照言語学を研究、日本語日本文学博士号を取得。NHKテレビ・アラビア語講座講師のほか、NHK・BS放送アルジャジーラニュースにおいて天皇・皇后両陛下やアラブ諸国首脳、パレスチナ自治政府アッバース議長などの放送通訳を務める。元サウジアラビア王国大使館文化部スーパーバイザー。東海大学・国際教育センター准教授。主な著書に『地図が読めないアラブ人、道を聞けない日本人』(小学館)、「アラビア語が面白いほど身に付く本」(中央出版)などがある。
内容説明
日本語とアラビア語の「死」「恋愛」「時間」「顔」にまつわる慣用的メタファー表現を対照して、互いの精神と文化の隠れた面に向かい合う。日本語による初となるアラビア語慣用的表現の意味理解に挑む意欲作!
目次
第1章 はじめに
第2章 日本語とアラビア語の慣用的表現の構成と特徴
第3章 アラビア語慣用的表現の分類―意味による分類とその応用の試み
第4章 慣用的メタファー表現に見る意味拡張と認知的基盤―概念メタファー理論の概要
第5章 日本語とアラビア語の抽象的概念における慣用的表現の個別事例分析―「死」にまつわる慣用的メタファー表現
第6章 日本語とアラビア語の「恋愛」にまつわる慣用的メタファー表現
第7章 日本語とアラビア語の“時間”にまつわる慣用的表現
第8章 日本語とアラビア語の慣用的表現における個別事例の分析のまとめ
第9章 日本語とアラビア語の身体語の意味の慣用化―「顔」と「wajh」にまつわる慣用表現を中心に
第10章 結び
著者等紹介
アブドーラ,アルモーメン[アブドーラ,アルモーメン] [Abdalla,Almoamen]
東海大学・国際教育センター准教授。エジプト・カイロ生まれ。2001年学習院大学文学部日本語日本文学科卒業。同大学大学院人文科学研究科で、日本語とアラビア語の対照言語学を研究、日本語日本文学博士号を取得。NHKテレビ・アラビア語講座講師のほか、NHK・BS放送アルジャジーラニュースにおいて天皇・皇后両陛下やアラブ諸国首脳、パレスチナ自治政府アッバース議長などの放送通訳を務める。元サウジアラビア王国大使館文化部スーパーバイザー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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